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2024.11.14

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体臭の原因は“約800種の皮膚ガス”と判明!「あの人臭ッ」と嫌われない方法を伝授

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たびたびSNS上で話題になる「男性の体臭」。実際、電車で他人の強烈なにおいを感じてウッとひるんだとき、「自分も大丈夫かな?」と不安になることはないだろうか。

暑さが落ち着いた秋こそ油断禁物!ということで、イヤ〜な体臭の原因とセルフチェック&ケア方法をご紹介。今回は体臭のスペシャリストである東海大学理学部化学科教授 関根嘉香さんにお話を伺った。
話を聞いたのはこの人!

関根 嘉香さん●東海大学理学部化学科教授。人と自然と物質が共存する心豊かな社会づくりを目指し、体臭の分析から大気汚染まで幅広く研究を行う。著書には、体のにおいの原因となる「皮膚ガス」について深く解説した『皮膚ガスのはなし―体臭は心と体のメッセージ―』(朝倉書店)などがある。

関根 嘉香さん●東海大学理学部化学科教授。人と自然と物質が共存する心豊かな社会づくりを目指し、体臭の分析から大気汚染まで幅広く研究を行う。著書には、体のにおいの原因となる「皮膚ガス」について深く解説した『皮膚ガスのはなし―体臭は心と体のメッセージ―』(朝倉書店)などがある。

体臭はなんと約800種! 原因にあった対策をしないと意味なし

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――電車で思わず「臭っ!」と思うにおいは、汗のにおいでしょうか?

今まで体臭は漠然とした存在でしたが、私の研究でおよそ約800種の皮膚ガスによるものだとわかったのです。ですので、一言で汗のにおいと言っても「汗のにおいを中心に、さまざまなにおいが混ざっている」というのが正しい答えになります。

さらには、体臭って発生源が異なるんですよ。

表面反応由来
汗や皮脂を皮膚の常在菌がパクパク食べたりした皮脂の酸化で、においを出す→汗臭、加齢臭、ミドル脂臭
 
皮膚線由来
汗腺や脂線を通った汗や皮脂から、においが発生する→汗臭

血液由来
血液中の化学物質からにおいが発生する→ダイエット臭、酒臭、疲労臭

以上、3つの発生源から約800種の皮膚ガスが出るわけです。発生源が変われば、対策も変わります。つまり、原因に応じた対策をしないと意味がないんですね。

――的外れなケアをしてしまっている人も多そうです……。

例えばアルコール臭を抜くために、汗をかきにサウナに行く人がいます。血液由来の酒臭は、血液中を流れるアルコールが原因なので、汗をかいてにおいを消そう! というのは実は効果がありません。

――身に覚えがあります……。そもそも、自分のにおいにはどう気づいたらいいのでしょうか。

1日着た下着をビニール袋に入れ口を縛っておき、外の空気を何度か吸って自分の鼻をリセットした後、その袋を嗅いでみてください。

鼻は、本来危険を察知するための器官なので、身近なにおいには慣れておかないといけない。なので、自分のにおいには、慣れていてむしろホッとするはずなのです。

しかし……「これは耐えられない!」という方は、何が原因かを探ってみたほうがいいでしょうね。

体臭別に対策を伝授!

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――OCEANS世代が悩みがちな体臭は、汗臭、ミドル脂臭あたりでしょうか。

汗臭、ミドル脂臭に加えて加齢臭や、秋冬には疲労臭、足臭にも気を配りたいですね。順番に原因と対策をお話しします。

<汗臭>
汗臭は、酢の酸っぱいにおいや、腐った納豆のようなにおいが特徴です。

汗をかいた後放置することで、皮膚にいる常在菌が汗・皮脂・角質を食べて分解しガスを出すことが原因なので、キーワードは「汗をこまめに拭く」。

ただし、乾いたもので拭いてしまうと体はもっと汗を出さなきゃ! と常在菌がはたらいて汗がどんどん出てしまうので、濡れたもので拭くのがポイントです。

また、汗腺トレーニングもおすすめ。軽い運動や湯船にしっかりと浸かることで、汗をかく頻度を増やすと、汗の質はさらさらとして、臭くなりにくくなります。

<ミドル脂臭>
ミドル脂臭は、30〜40代に多い体臭です。チーズのようなにおいが特徴。

汗の中に乳酸が染み出して、常在菌がそれを食べることで発生します。

しぶとそうに思えますが、汗と同じく表面反応由来ですので洗えば落ちますよ。対策としては、出がけに5分程度シャワーを浴びるのが有効です。夜、お風呂に入った際は「やさしく、くまなく洗う」ことを意識しましょう。

意外に思われるかもしれませんが、このミドル脂臭は、焦ると出やすいこともわかっています。早め行動で落ち着いた毎日を過ごすことも予防の一つとなるでしょう。

<加齢臭>
加齢臭は、古本によく例えられます。50代から目立つにおいです。

加齢による活性酸素の増加や、紫外線などで皮脂成分が酸化することが原因です。

こちらも洗えば落ちるにおいですが、皮脂が多く出るポイントを「やさしく、くまなく」洗うようにしましょう。耳の後ろ、Tゾーン、後頭部、背中はとくに念入りに。しかしゴシゴシ擦りすぎには気をつけてくださいね。

面白いのが、抗酸化力のあるカシス(ポリフェノール入りの食品)や梅(梅濃縮ジュースなど)を摂ると、原因となる活性酸素が抑えられ加齢臭対策によく効くということ。

紫外線も皮脂を酸化させますから、日差しの強い日は日焼け止めや日傘を忘れずに。

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<疲労臭>
悲しいことに、私たちは疲れるとアンモニア臭が出てしまいます。

肌寒くなってメンタルが落ち込み、ストレスを感じると発生することも……。

規則正しい生活・適度な睡眠と健康的な食事が、原点にして至高の対策でしょう。

<足臭>
足のにおいは、汗臭とアンモニア臭などが混ざった強烈なにおい。これからの季節にとくに気になるにおいです。

さまざまな対策がありますが、見直してほしいのは「足に合う靴を履いているか」。足にあわない靴を履いていると、ストレスでアンモニア臭が発生するのです。

そのほか、合皮よりは本皮や布製など汗を吸い取って逃す素材を選ぶことも大事でしょう。

そもそも臭くなりやすい人っているの? 体臭のお悩みQ&A

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――女性に比べて男性のほうが、体臭は強いものですか?

もちろん個人差はありますが、男性ホルモンの影響で皮脂の分泌量が多い男性のほうが体臭は強い傾向があります。

――臭くなりやすい体質、なりにくい体質ってありますか?

もともと汗をかきやすい人、皮脂の分泌が活発な人はにおいの原因になりやすいですね。ただ、人が嫌だなと感じるにおいは、生活習慣、食生活の影響のほうが大きいと思います。

――やはり食生活も大事なのですね!

肉や魚に偏った食事を摂り続けると、タンパク質の代謝物としてアンモニア臭が発生します。ほかにも、便秘だとそのにおいが皮膚から漏れ出すこともあり……。

バランスのよい食事が腸にもよく、ひいては体臭対策にもなります。


体臭は、誰しもあるのが当たり前。過剰な心配も、ストレスとなりかえって体臭を強める原因となるのだという。

「エチケットとして配慮をするのは大切ですが、体臭=すべて悪とせず、においの変化を感じたり指摘されたりしたら、ぜひ健康診断やカウンセリングを受けてみてください。においの裏に体や心の不調や病気が隠れているかもしれません」。

アントレース、smile editors=取材・文

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