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「高揚感なんてあんまりない」奥田⺠生が語る“ぼんやりとした達成感”
ーー今日のインタビューを通して、最後にぜひお聞きしたいのですが、「人生で一番高揚感を感じる瞬間」というのは、どんな時ですか?



いや、正直言ってあんまりないんだよね(笑)。俺、目標とか持ってないから、「達成しました!」っていう瞬間がないんだよ。なんとなくクリアしたかなって思う時はあるけど、それも「これだ!」っていうのじゃなくて、全部がぼんやりしてる感じ。

だから、最高に盛り上がる瞬間って言ったら、「ラーメンがめちゃくちゃ美味い!」とか、そういう小さなことなんだよね。

生きてる喜びって、そういうちっちゃいことだと思う。目標を立てて、それに向かって頑張るのは分かりやすいんだろうけど、俺の性格的にはそういうのが合わないんだよね(笑)。

ーーその答えは初めて聞きました(笑)。

そうだろうね(笑)。カーリングシトーンズのメンバーからも、「お前は風情がない」「情緒がない」ってよく言われるんだよ。「夕焼け見て何も感じないのか?」って聞かれるけど、「いや、感じるわ!」って(笑)。でも、そう見えてるんだろうね。

ーーありがとうございました。とても興味深い話を聞けました。

こちらこそ。面白いと思ってくれたならよかったよ(笑)。

奥田⺠生●1965年、広島生まれ。1987年にロックバンド「UNICORN」のボーカリストとしてデビューし、「すばらしい日々」などのヒット曲で音楽シーンに大きな影響を与える。1994 年、シングル「愛のために」でソロ活動をスタートさせ、「イージュー★ライダー」「さすらい」などの代表曲を生み出し、幅広い層の支持を集める。音楽プロデューサーとしても才能を発揮し、PUFFYのプロデュースなどで成功を収める。また、井上陽水とのコラボレーションなど、様々なアーティストとの共演も高く評価されている。自身の音楽レーベル「ラーメンカレーミュージックレコード」を立ち上げ、音楽活動の幅を広げる。独自の活動スタイルとして、バンド形式の「MTR&Y」や弾き語りの「ひとり股旅」、移動式レコーディング企画「トツゲキ! オートモビレ」など、多様なアプローチを展開。リスナーや他のミュージシャンからも愛される存在となっている。2024年10月21日、ソロ活動本格始動から30周年を迎えた。


⻑田 慶=写真 池田鉄平=取材・文 

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