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2024.10.17

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パリにも進出した「福祉×アート」のヘラルボニー。ネクタイ1本3万円台でも選ばれるデザインの魅力

盛岡を拠点にグローバルでの展開も見据える、ヘラルボニー代表取締役・松田文登さん(写真:筆者撮影)

盛岡を拠点にグローバルでの展開も見据える、ヘラルボニー代表取締役・松田文登さん(写真:筆者撮影)


当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちら。

「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、「福祉×アート」の分野で急成長しているスタートアップ企業・ヘラルボニー。
双子で、ともに代表取締役の松田崇弥さん・文登さんが2018年に地元・岩手県で創業。以来、崇弥さんは東京、文登さんは盛岡と、それぞれを拠点にしながら、2024年にはパリに現地法人を開設し、海外進出を果たした。
その様子は9月20日、テレビ東京の『ガイアの夜明け』で取り上げられ話題になったばかり。盛岡市内の本社で松田文登さんを取材した記事を前後編に分けて掲載する。

(前後編の前編/後編はこちら

“異彩作家”に支えられる会社

知的障害のある作家の手がけたアートを、さまざまなプロダクトや空間デザインとして展開し、作品のロイヤリティ(使用料)を作家に支払う。これがヘラルボニーの事業の基本的な構造だ。

ヘラルボニーでは作家たちを“異彩作家”と呼ぶ。「異彩作家の作品があるから、ヘラルボニーがある。僕らが障害のある人たちを支えていると思われがちですが、実際には僕らが異彩作家たちに支えられているんです」と文登さんは言う。

2人がヘラルボニーの前身「MUKU」の活動を始めたのは2015年。

それから10年足らずの間に、自社ブランド商品だけでなく、JR東海による東京駅構内の装飾、JALビジネスクラスのアメニティポーチといった大手企業とのタイアップ企画まで広がった。

東京駅の八重洲中央口きっぷうりばなどを異彩作家が描くアートで装飾するプロジェクトは2023年、JR東海とのコラボレーションで実現した(写真:ヘラルボニー)

東京駅の八重洲中央口きっぷうりばなどを異彩作家が描くアートで装飾するプロジェクトは2023年、JR東海とのコラボレーションで実現した(写真:ヘラルボニー)



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