「よろしくお願いいたします」。
こちらはダスポンの組み立て工程を任されている浅井めぐさん。いわゆる“ダスポン女子”だ。
そして、彼女の横にあるのがダスポン。なるほど、ゴミ箱とは思えないお洒落さだ。ちなみに、「ダストをポンと捨てる」というのが名前の由来らしい。
めぐさんは生まれも育ちも富山市。本人いわく、「家はわりと山奥の方で、野生のカモシカを見て育ちました。猿、たぬき、猪、クマなんかも当たり前にその辺にいましたね」。
富山県はホタルイカの漁獲量が兵庫県に次いで全国2位だが、彼女の推しは郷土料理の鱒寿司だそうだ。
「富山の人はあんまり食べないけど、私は大好きです。水とお米が美味しいせいか、コンビニで売っているものでもすごく美味しいんですよ」。
サクラマスを酢で味付けした押し寿司で駅弁としても人気。
高校ではチアリーディング部に入る。
「とにかく目立ちたくないので、本当は書道部に入ろうと思っていたんです。でも、斜め前の席の女の子から『一緒にチア部に入ろうよ』と言われて」。
目立ちたくないにも関わらずチアリーディング部へ。しかも、ポジションは「トップ」に抜擢される。
その名の通り、一番上で目立つパフォーマンスを行う人。
高校を卒業後は短大に進学。アパレルや雑貨などの仕事を経て、今年の5月からナカノで働くことになった。
「たまたま会社のホームページを見て、『ダスポンってなんぞや? これ、どうやって作ってるの?』と興味を持ったのがきっかけです。もともと、ハンドメイドでアクセサリーとか作るのが好きなので、その延長線上の作業ができるのかなと思いまして」。
自作のアクセサリーはネットやイベントなどで販売し、熱心なファンも付いている。
ダスポンはアクセサリーとは違ってサイズが大きかったが、組み立てる際に必要な繊細さは同じだという。
「ダスポンのラインナップは9アイテム、カラーバリエーションを入れると482種類になります。税抜き希望小売価格は家庭用だと20万円~、サイズが大きい業務用だと一番高いもので約250万円。
2018年には『スライド式の機能性と審美性において、これまでのゴミステーションとは一線を画す』ということでグッドデザイン賞を受賞しました」。
中にはガレージに置いて物置にしたり、玄関先に置いて宅配ボックスにする人もいるそうだ。
さまざまなシチュエーションに溶け込むデザイン。
3/4