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「枕営業はしない」華やかな仕事の裏ではとことんストイックに

ナンバーワンの記録更新していた頃の城咲さん。写真=本人提供

ナンバーワンの記録更新していた頃の城咲さん。写真=本人提供


バーテン時代の経験を見込まれ、クラブ愛で働きはじめた城咲さん。出勤前に毎日4時間半、名刺を配って集客をし、わずか2カ月でナンバーワンホストに。その後も5年間連続トップの座を守り続けた。今なお伝説的として語り継がれる記録だが、その成功の裏には、自身に課したストイックなルールがあった。

「お客さんとは寝ない、外では会わない、タバコは吸わない、足を組まない、ピアスもやらない……ホストとして酒を飲んで喋るだけ(笑)。店の外で会えるなら、お客さんがホストクラブに来ないでしょう」。

毎日4時間半配り続けた名刺。写真=本人提供

毎日4時間半配り続けた名刺。写真=本人提供


お客さんをお酒と話術で楽しませる。仕事内容はシンプルだが、毎晩浴びるほど酒を飲まなければならない。時に150日連勤もあったが、この激務を支えたのは子供時代に培った「自己管理能力」だった。

「ホスト時代、基本は自炊でした。塩分と油分と糖質に気をつけて、出勤前に湯豆腐と動物性タンパクを、野菜と一緒に摂るようにしてました。酒を飲む仕事なので、健康にはかなり気を付けていましたね。お客さんに呼ばれたときすぐ出勤できるように、外食せず自宅でスタンバイしてました」。



億単位の金を稼ぎ、キャッシュでメルセデス・ベンツのSLを購入。煌びやかなステータスを得たものの、そこに驕りは一切なかった。

「小さい頃から、親父にはお金の教育をされてました。子供のとき誕生日にマウンテンバイクをねだったんです。親父は『300円のラーメン売ったって300円儲かるわけじゃない。ここから家賃、材料費、従業員の給料払ったら一杯何十円だぞ。だからちゃんと乗れよ』って言いながら、当時7万円もする一番いいバイク買ってくれたんです。

実家が商売をしていたので、ホストをしていても金銭感覚が狂うことはありませんでした」。


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