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2024.10.09

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【ヤバい】30代以上男性の7割が歯周病!専門家に学ぶ正しいデンタルケアと歯ブラシの寿命

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子供の頃から毎日の習慣として行っている歯みがき。しかし、実はただ「やっているつもり」になっているだけかも……。

歯みがきをしていれば大丈夫だと思っていたけれど、正しいケアを理解している人は意外と少ない。その証拠に、30代以上の男性の約70%が歯周病に罹っているという。

そんな驚きの事実をお話いただいたのは、サンスター財団 口腔健康室の浜頭さん。正しいデンタルケアについて詳しくお聞きしてみたので、今一度日々の歯みがきを見直してみよう。
聞いたのはこの人!
浜頭愛さん●一般財団法人サンスター財団 口腔健康室 歯科衛生士。2015年、一般財団法人サンスター財団に入社。口腔健康室に所属し、職域歯科健診、成人向けの歯科セミナー、小・中学校での歯科保健指導などを行っている。

浜頭愛さん●一般財団法人サンスター財団 口腔健康室 歯科衛生士。2015年、一般財団法人サンスター財団に入社。口腔健康室に所属し、職域歯科健診、成人向けの歯科セミナー、小・中学校での歯科保健指導などを行っている。

30代以上の男性は約7割が歯周病にかかっている!?

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ーーまず、加齢による口腔環境の変化はどのように起こりますか?


加齢とともに歯の変色やすり減り、ハグキの退縮や唾液の減少などが起こります。なかでもOCEANS世代の方々に一番気をつけていただきたいのが「歯周病」です。

歯周病に罹患している人は、30代以上で約70%にのぼりますが、罹患を自覚しているのは30%程度。残り40%の方々には見過ごされていることが弊社の調査でわかりました。

ーーどうして見過ごされやすいのでしょうか?

歯周病は、自覚症状が少なく静かに進行します。さらに30代〜40代は仕事に家庭に、何かと忙しい世代。即座に命に関わるものではないことから、ついつい見過ごされて発見が遅れてしまいやすいのです。

しかし、歯周病はハグキの出血や口臭の原因にもなりますし、進行すると歯を支える歯槽骨が減り、最後には歯を失ってしまいます。そうなるとブリッジやインプラント、入れ歯といった治療が必要です。

また、歯周病菌が心疾患や糖尿病のリスクも高めることが近年の研究でわかっています。

もし普段の歯みがきのなかでハグキからの出血があるようなら、それはハグキに炎症が起きているサインかもしれません。将来的な健康を損なわないためにも、デンタルケアを見直すことが大切です。

健康な歯でいるコツは年に1~2回の歯科受診

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ーーデンタルケアは何をするべきなのでしょうか。

デンタルケアのメインは、主に以下の3つです。

①日々の歯みがき
②歯間ブラシやデンタルフロス、洗口液の併用
③定期的な歯科受診

これらを通じて、食べかすやプラーク(歯垢)を綺麗に除去することが大切です。

プラークはむし歯菌や歯周病菌の塊で、食後4~8時間後ほどで発生します。これは、食べかすや、糖質の一種であるショ糖をエサに繁殖するからです。

むし歯菌は酸を発生させ、歯表面のエナメル質を溶かすことでむし歯の原因に。歯周病菌は毒素を発生させ、ハグキに炎症を起こすことで歯周病の原因になります。

このプラークの除去のためには、歯みがきに加えて、フロス・歯間ブラシなどの併用もおすすめしています。

ただ、残念ながらこういったセルフケアだけでは、どんなに丁寧な人でも磨き残しが発生します。そこで、目安として1年に1~2回程度は、歯科医院でプロのケアを受けることも大切です。

ハブラシの角度を確かめながら、一本一本丁寧にブラッシング

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ーー具体的に正しいデンタルケアのコツを教えてください。

まず、ハブラシによるブラッシングのコツとしては以下の3点があげられます。

①軽い力でみがく
②小刻みに動かす
③一本ずつみがく

力加減としては、ハブラシの毛先が広がらないぐらいの軽い力でみがくようにしてください。強すぎると毛先が開き、汚れを効率よく落とせなくなりますし、ハグキを痛めることもあるからです。

小刻みにハブラシを左右に動かしながら、一本ずつみがく意識でブラッシングしていきます。このとき、ブラシの毛先が歯にきちんと当たっているか、毛先の角度を鏡などで見て確認してみることも大切です。

また、みがき残しがないよう、「外側→内側→最後に噛み合わせ面」といったように、自分で手順を決めくことが効果的です。

ーー歯をみがくタイミングや、みがくベストな時間は?

「歯みがきは3分間」と思われている方もよくいらっしゃるのですが、一本ずつ丁寧にみがく意識を持つと、実は3分間で全ての歯をみがくのは難しいことに気がつきます。

そのため「最低3分はみがく。できればそれ以上」という意識に切り替えることが大切です。

磨けたかどうかを確かめる簡単な方法は、歯の周りを舌で舐めてみて、ザラつきやネバつきがないかどうかです。あくまで目安ですが、ザラザラを感じないところまで磨いてみましょう。

歯をみがくタイミングは、毎食後がおすすめです。特に重視していただきたいのが就寝前。就寝中は唾液の分泌が少なくなり、細菌が増殖しやすくなります。

昼間は仕事などで忙しいという方は、洗口液などで口をすすぐだけでも変わってきます。ぜひ試してみてくださいね。

ーーその他に気をつけたほうが良いことはありますか?

歯みがきはとても大切ですが、実はブラッシングで除去できる歯と歯の間のプラークは約60%程度です。しかしハブラシに加えて歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、90%近いプラークを除去することができます。

使い分けとしては、歯と歯の隙間が比較的大きい方は歯間ブラシ。隙間が狭く歯間ブラシが入らない方はデンタルフロスがおすすめです。ただし、歯間ブラシやデンタルフロスは使い方を間違えるとハグキを傷つける原因にもなります。まずは歯科衛生士などから正しい使い方を教えてもらうことも必要です。

【歯ブラシは月1本】その歯ブラシ、何カ月使ってる?


ーーハブラシの選び方を教えてください。


選び方についてのポイントですが、まず毛の硬さは「ふつう」を選ぶことが基本です。ただしブラッシング時にハグキが痛いという方、歯周病でハグキに炎症がある方などには「やわらかめ」をおすすめします。



次にハブラシのヘッドの大きさです。ヘッドとはハブラシの毛が植っている部分のことですが、ヘッドの大きさは大小さまざまなものが販売されています。

コンパクトなヘッドのものは、細かく丁寧にみがきたい方や、口が小さい方に向いていますが、ブラシの面積が小さいのでみがくのに時間がかかってしまうことがあります。

男性など口腔内が大きい方や、素早く磨きあげたい方は、小さいヘッドでみがき残しが生じるよりも一通り歯にブラシが当たるよう、多少大きめのヘッドのものを選んだほうがいいですね。

そのほかブラシ部分のカット形状や、毛先の加工などは、磨き心地の良さなどは好みで選んでいただいて大丈夫ですよ。

最後に、ハブラシに関して大切なことをひとつだけ。ハブラシの交換は1カ月を目安に行ってください。

今までは「毛先が開いたら交換」といわれてきましたが、最近は毛の改良が進み、毛先がなかなか開いてきません。しかし見た目からはわからないものの、衛生面や、毛先の弾力が失われて清掃効果が落ちるという問題があります。

そこで毛先の状態ではなく、1カ月程度で交換することをおすすめしています。

今までよりも気持ちのよい歯みがきができると思いますので、まずは月に一度のハブラシ交換からデンタルケアを始めてみてください。


忙しいと手を抜いてしまいがちなデンタルケアだが、気分転換も兼ねてしっかり続けていこう。

アントレース、桜井 鈴貴=取材、文

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