ベルエアとの出会いは突然に。10代の夢が現実になる日
そもそもどうして彫だいさんはベルエアを手に入れたかったのだろうか。
「小さい頃からアメリカのヴィンテージカルチャーが好きで、14歳のときに『東京ロカビリークラブ』というのに入ってツイストを踊ってたんです。当然、年上の人がほとんどで、その先輩たちがシボレーに乗っていたんです。
その影響もあって雑誌で見たベルエアがカッコよくて、『これだ!』と。今思い返すと当時雑誌で見てたのは、まさしく今乗ってる型なんですよね」。
出会いは突然やってきたという。
「僕、急に断捨離したくなる癖があって、当時所有してたインパラワゴンとトヨタクラシックを売りに出したんです。その直後に知り合いから、『ずっと探してるベルエアがオークションに出品されてますよ』って言われて。それで持ち主と直接交渉するために、神奈川県逗子まで行ったんです」。
ただ、すぐに交渉成立、とは行かなかったようで……。
「予算が足りなかったんですよね。そこで僕とオーナーさんでお互い妥協できる金額を同時に提示して一致したら今日決めましょうと。それで、せーの!で出したら見事一致したので売ってもらうことが出来た」。
大好きなゴールドとブルーのたまらない組み合わせ
そんな運命的な引き寄せがあって手元にやってきたベルエア。愚問だと知りながらも、お気に入りポイントを聞いてみた。
「やっぱりこのカエルみたいなかわいい顔! あとエンブレムとグリルがゴールドになってるんですよ。アクセサリーもゴールドが好きなので、ここもめちゃくちゃお気に入りポイントかな。基本的に外装は購入時から何もいじってないんですよ。雨の日も気にせず乗っているのでいい感じに擦れてきてマットなブルーになってきました」。
そして、リアには気になるピンストライプが描かれている。
「ティーンエイジドリーム(10代の夢)って書いてあるんです。14歳のときから欲しかったけど、この言葉を地で行くとはね。日本に来る前のアメリカのオーナーさん時代から描いてあったみたいで、これは運命だなと」。
車内は、車体色と同じターコイズブルーとブラックのバイカラー。シートは内張りを貼り直したくらいで日本にやってきたときのままだという。メーター周りやダッシュボードのあたりも一見すると当時のままのような雰囲気だが、ここにも彫だいさんのこだわりが垣間見える。
「ここはかなりカッコつけポイント(笑)。メーターは当時のオリジナルに見えるんですけど、デジタルメーターになってるんです。元のデザインにかなり近いやつを探し出しました。オーディオはBluetoothが繋がるし、エアコンも新しく付けたので驚くほど快適なんですよ」。
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