「速い人は小さい頃から乗り続けているケースがほとんど。でも、私はそういう環境にはなかったんです。今もみんなが10回試乗してからレースに出るところを私はぶっつけ本番が多い。そこで考えたのは、他のドライバーの走行映像やデータなどの要素を組み合わせて頭の中でシミュレーションをすることでした」。
10代の頃からこのやり方で現場経験の圧倒的な少なさをカバーし、レースによってはメーカーが抱えているドライバーとも互角に戦えるようになったという。
「乗れない期間に脳内で積み上げてきたイメージと実際に乗ったときの感覚が完全に合致したときが一番気持ちいいですね。またひとつスキルアップできたという実感が得られます」。
今年8月に開催された「KYOJO CUP」では10位(写真中央のマシンに乗るのが実紅さん)。
「怖いという感覚は今でもすごくあります。でも、私はクラッシュしたことが一度もないんです。直すのにお金がかかるのが申し訳ないなと。各チームのスタッフには、『池島はクラッシュしないから、どんどん乗せよう』と思われているかもしれません」。
同じレースでマシンのフィーリングをメカニックにフィードバックする様子。
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