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「卵は1日1個まで」は盲信だった!?



初めまして、山本です。私が40年前から学び、蓄積してきた筋トレに関する知識を、連載形式でお届けします。記念すべき第1回は「卵と筋肉の関係性」についてお話しましょう。

「1日にいくつ、卵を食べていいんですか?」という質問を受けることがよくありますが、単刀直入に言うと、何個でも大丈夫です。

こう答えると驚く人が多いですが、過去に国立栄養研究所が卵を1日に10個、1カ月間食べ続ける実験を行ったところ、懸念されていた健康被害はなく、むしろ被験者が健康になった事例もあります。

「卵は1日に1個まで」は盲信だったんです。それは、2015年に厚生労働省が「食事摂取基準」からコレステロールの上限値を撤廃したことからもわかります。



昔は、1日に摂取すべきコレステロールは1日300mgまでとされていました。卵1個あたりのコレステロール含有量は250mgなので、1個だけでほぼ上限に達してしまう。だから1日1個までが流布されてきました。

でも、食事から摂るコレステロールは体内のコレステロール値にほとんど影響を与えないことがわかりました。それがコレステロールの上限値が撤廃された理由です。

ちなみに、私は1日に6個は卵を食べています。

卵の「プロテインスコア」は100点!



「プロテインスコア」という言葉を聞いたことがありますか?

これは食品に含まれるたんぱく質の品質を評価する指標ですが、基準が厳しすぎたために、現在は基準を緩くした「アミノ酸スコア」が主流になっています。

そんなに厳しいと言われていたプロテインスコアで100点満点を取っていたのが、日本食品標準成分表に記載されている2500近い食品数のなかでも「卵」と「しじみ」だけ。卵に含まれているたんぱく質の品質は、群を抜いて質がいいんです。

品質がいいとはどういうことかというと、たんぱく質の最小構成単位である「アミノ酸」が、人間の体にとって1番いい組み合わせと1番いい割合で含まれているということ。質がいいほど、筋肉の合成がうまくいきます。



ほかに高得点なのは牛肉や豚肉、魚(イワシ)ですが、それでも79、90、90で100にはぜんぜん満たない。植物性たんぱく質はもっと低くて、大豆は56程度ですね。いずれも「アミノ酸スコア」では100点ということになっていますが。

数字からもわかる通り、食事からたんぱく質を摂取するなら卵がベスト。物価の優等生とも言われるように、インフレになっても卵は安いですしね。ありがたい存在です。

コレステロールや脂肪を控えたいからと卵白だけを食べる人がいますが、プロテインスコアが100というのは全卵の場合。プロテインの効果を最大限に得たい人は、卵をまるまる1個食べるのがおすすめですよ。


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