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国によって忌み数は異なる


海外・外国では日本とはまた違った数字が嫌われます。

・西洋では宗教的要因で「13」や「666」といった数字が良くないとされるのは日本でもお馴染みかもしれません。

・英語圏では「11」や「111」といった数字が「蛇の目」、snake eyesとして嫌われます。

・アメリカを中心に「420」(フォー・トゥエンティー)がマリファナを意味する隠語として使われた歴史から、避けられる傾向があります。

・イタリアでは「17」。ローマ数字で書くと XVII となり、これを並べ替えると VIXI となり、ラテン語で 「私は死んでいる」という意味になるようです。

・ベトナムは「3」。「惨」に通じ、忌み数とされます。

・中国では「5」。「五」と「無」が共に「ウー」と同じ発音になるためです。

こんなふうに国によって忌み数が違うと、世界中からやって来る宿泊者を受け入れる国際的なホテルでは、割り振れる部屋番号がなくなってしまいます。世の中の国際化が進んでいく上で、部屋番号というのは気にしてはいられなくなっていくでしょう。

日本だと「404号室」を気にする人は多いと思います。444号室はかなり大きな建物でないと存在しないでしょう。409号室や904号室や909号室など4と9が入れば嫌となるとキリがないですね。402号室を忌み数とする傾向もあるようですが、「死に」と結び付けるのも少し強引な気もします。アメリカで「大麻」を表すスラング、「420(フォートゥエンティー)」と混同していたりしないでしょうか?

従業員にはデメリット。バンクーバーでは「忌み数の階を省くな」を義務付け


この欠番がある、無い部屋があるというのは、そこで働くホテルスタッフにはけっこう不利になります。

従業員はホテルの部屋番号がフロアのどの位置にあるかをすぐイメージできないといけませんが、番号が飛んでいるととても面倒なんです。頭の中にフロアと全ての部屋の位置が映像ですぐ浮かぶようになるのが理想です。特に向かい合う部屋が何番と何番とイメージするのには妨げになります。私が新人の時はとても苦労しました。

実は、カナダのバンクーバーでは、忌み数の階を省かないで正しい階数を表示することを義務づけています。理由は、階数表示の除外が消防活動や救助活動に支障を来す為だそうなんですが、部屋番号においても同様のことが考えられなくもないと私は思いました。

そうしたことを考えると、日本では消防法では規定されていませんが、国際化も視野に入れると、正しい部屋番号の並びにしていく風潮があってもよいのではないかと私は思います。

実際に最近は、忌み数による欠番を作らないマンション・アパートは増えているようです。

旅館は?


温泉ホテルみたいな所は番号で振ってあるところもありますが、旅館の多くは「鶴の間」「雅の間」「菖蒲の間」みたいな表示にしていますよね。なぜ「○○の間」というのが一般的なのかは、歴史的背景とかまでは分かりませんが、由緒ある高級旅館が番号の部屋では味気ないと感じるでしょう。

やはり和室は漢字のほうが情緒、趣きがあってよいと思います。

開かずの間とジンクス


旅館やホテルにけして宿泊に使われない不気味な部屋があって…なんて怪談みたいのもありがちですが、どうでしょうね? いわく付きで使われない部屋が本当にあるのかは定かでないですが、部屋の設備に致命的な不具合があったり、ボイラーの側で騒音クレームが絶えないとか、倉庫になっているとか、様々な事情で存在はするのではないでしょうか?

ただ、宿泊業はそう簡単には部屋を潰しません。部屋が稼ぐわけで、安易に部屋数を減らすことには慎重であるはずです。

何の仕事にもあるとは思いますが、宿のジンクスとしては、不思議と同じ宿泊者に不手際が重なることが多いです。一度迷惑を掛けたならそれ以上はないよう気を付けるわけですが、まるでその人に呼び込まれているかのように集中してしまうことがあります。(その人がクレーム体質とかいうことはまったくありません)


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