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体に起きた異変。溢れ出したある感情



なかに入ると「霊体が増えてる」って阿部さんが言うんですよ。霊の数が増えるって普通は、ないことらしいんです。それくらい、誰かに話を聞いてほしい霊が集まっていたってことみたいなんですけどね。

それで、4人で2つ目の部屋まで進みました。なかは、コンクリートの打ちっぱなしの本当に無機質な部屋でした。

僕はもちろん、いちばん奥の部屋まで行きたいんだけど、末吉さんが待ってほしいと。霊体に挨拶する時間を5分くださいと言われました。

だから、僕はいちばん奥の部屋に入った末吉さんの背中を撮影する形で、待っていたんです。そしたら……



突然、頭が痛くなったんです。具合も悪くなっていました。そしたら突然、悲しい気持ちが溢れて止まらなくなって……。

僕は自殺の名所に行っても悲しい気持ちにならないタイプなんです。なのに、そのボロボロと涙が止まらなくなって、泣き始めた。

一緒にいた阿部さんが「これは何とかしなきゃいけない」と、真言を唱え始めました。そんな状況を見かねた末吉さんも奥の部屋から戻ってきて、僕を後ろから抱きしめてくれました。「大丈夫ですよ」と。

僕はもう何がなんだかわからず、「外に出たい」と伝えて管理棟を後にしました。


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