「エンジニアブーツ」の特徴
製作へのこだわり
エンジニアブーツの初代は、1936年に発表されたモデルだとされる。
それまでアウトドアシーンやあらゆる作業場で使われるシューズといえば、膝下丈の編み上げロングブーツが主流。その概念を打ち破る、足首と靴が密着しないプル・オンタイプが当時は実に画期的だった。
とはいえ、斬新さばかりを追い求めていたわけではない。フィッティングを調整するアンクルストラップやパンツ裾をブーツ内に入れた際に固定するシャフト上部のストラップなど、気の利いたディテールが随所に設けられているところに同社のアイデンティティが伺える。
重量感のある音や感触
レッドウィングを愛した人々は、エンジニアにせよ、ロガーにせよ、ファーマーにせよ、元来、過酷な環境で仕事に従事する人たちが中心。残念なことに、事故はつきものだった。
そんな環境下に耐えうるものを、との想いからレッドウィングはさまざまなモデルを発表してきた。
エンジニアブーツも同様で、安全設計を基本に、スティール・トゥなどはその最たるディテールといえる。つま先に鋼鉄製のトゥキャプをあしらうことで、重い荷物を落としても怪我を回避してくれる。
その構造からもたらされる重厚感は、そのまま歩く際の音や感触の要因にもなっている。
経年変化で自分だけの靴に
細部にも妥協を許さないのがレッドウィングだ。
とりわけ、創業者がタンナーだったこともあり、レザーにおけるこだわりはひとしおで、用いるレザーは輸送期間が短く、“フレッシュ・ハイド”と呼ばれる塩漬けされていない原皮のみを使用。
軍などへも一部供給していたその革は、過酷な場所での作業にも耐えうる丈夫さを誇り、タフであるがゆえに長く履き続けられる利点もある。
その先にあるのは、時とともに徐々に姿を変えていく味わい深いルックス。そんなところにも同社のクラフツマンシップは生きている。
厚みのあるヒール
タフさを担保しながら、最大限のコストパフォーマンスも発揮する要因のひとつにソールがある。
その礎を担ったのは、丈夫さがウリのグロコード・ソール。それからさらに改良を重ね、自社でオイルや薬品にも強い耐性を誇るオリジナルのコードソールを開発し今日にも受け継がれている。
それは「エンジニアブーツ」にもしっかり踏襲され、堅牢にして取り換えも可能なグッドイヤー・ウェルト製法とともに屈強さを支えているのだ。
ただ、現在のラインナップの中には、もうひとつの同社のアイコンともいえる、トラクショントレッド・ソールを用いたモデルもある。クッション性に優れ軽量なこちらは街履きとして大いに貢献してくれるはずだ。
※現在、エンジニアの製造がなく在庫も一部の店舗店頭の一部サイズのみ。 3/3