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バレンシアガの「3XL」の特徴

ワイドなシルエット



写真を見て分かるように、随所に取り入れたのはいわゆる典型的な高性能ランニングスニーカーで代表的なファクター。

ゆえにスニーカーらしいスポーティーさは感じられるが、ブランドのフィルターを通して企てた大胆不敵なアレンジが違いを物語っている。



ソールの幅はその筆頭で、一般的にボーリューミーとされるスニーカーを持ってしても物足りなさを感じるほどのスーパーワイド。

視覚的効果と歩行時の優れた安定性から、それが単なる虚をついたデザインではないことが分かる。

複雑なデザイン



さまざまな大きさや形状のテクニカルメッシュをパッチワークデザインのようにあしらったアッパー。そのデザイン性の強いオーバーレイには、どこか1990年代の“ランシュー”の面影を重ねてしまう。

その幾重もの重なりと連なりに加え、加工によりあえてフェード感を添えた。

ファッションの楽しさと自由を改めて教えてくれるテクスチャー感。その手間暇にこそ、ブランドのチャレンジングな矜持が見て取れる。

予備シューレース

アッパーとアウトソールの幅の差、斬新なバックショットに反するスマートなサイドビュー。随所に潜ませた“違和感”こそ「3XL」の真骨頂と言えるのかもしれない。

となれば、触れずにはいられないのが甲部に巻きつけられたシューレース。



まさか別売りが基本の予備を本体に巻き付けデザインの一環にするなど誰が想像できよう。外して予備として持っておくのもいいが、つけたままアイデンティティを主張するのもこれ一興だ。


3/4

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