名店① 豚骨醤油ラーメンの金字塔!「ラーメン濱野家」
最初に紹介するのは、2020年12月にオープンした「ラーメン濱野家」。
ロケーションは、市原市の玄関口的な位置付けを担う五井駅(JR内房線・小湊鉄道)の西口から、「吹上通り」を直進すること約8分。店舗入口を起点に連なる長蛇の列が、お店の在処を示す絶好のランドマークとなるだろう。
店主である濱野氏は、将来を嘱望される若手ラーメン職人。「武蔵家」を経て、「杉田家 千葉祐光店」で、みっちりと修業。「武蔵家」、「杉田家 千葉祐光店」ともに、「横浜家系ラーメン」の名店中の名店だ。
現在、同店が提供する麺メニューは、「ラーメン」と、そのバリエーションである「チャーシューメン」「得増しラーメン」。
「店と客との関係は一期一会なので、一人ひとりのお客さんに誠意を尽くしたい。だから、ラーメンづくりには一切手を抜かない」というのが、ラーメン職人としての濱野氏の矜持。提供される1杯は、そんなラーメンに対する真摯な姿勢が見事に結実したものだ。
一般的に、濃厚で「美味しくても毎日は食べたくない」と思われがちな横浜家系ラーメン。そんな家系を、毎日食べても満足感が衰えない“完全無欠の1杯”にまで昇華させる。
現在、開業から3年半が経過したが、その志を一刻も忘れることなく、絶えずブラッシュアップに励み、今やその1杯は「美味しさの暴力」と称すべき段階にまで到達した。
すするたびに上質な鶏滋味が口いっぱいに拡がり、そのあとを、どっしりと厚みのある豚のコクと、カエシのあとを引く甘辛いうま味が追いかける。鶏油から放たれる麗しい香りが、ただでさえクリアなスープの素材感を一層際立たせ、一度口を付けたら最後、食べ終わりまで、箸とレンゲを持つ手を止めることができない。
家系ご用達「酒井製麺」の中太麺とスープとの相性も、これ以上ないほど良好。「家系」の枠に収まり切らない、豚骨醤油ラーメンの金字塔。今、市原市において、最優先で食すべき1杯だ。
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