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ポンピドゥー・センターの衝撃

オレゴン大学で建築学を学んだティンカー・ハットフィールドは卒業後にナイキに入社する。陸上選手だったハットフィールドは在学中、ビル・バウワーマンの薫陶を受けた。

オフィスやショールーム、ストアの設計をしていたハットフィールドにある日、シューデザインの仕事が舞い込む。ナイキはAirテクノロジーを飛躍させるための次の一手を思いあぐねていた。

ハットフィールドは構想を練るべくパリに飛んだ。そこで目にしたのがポンピドゥー・センター。建築途中の建造物を思わせるもろもろの設備があらわになったつくりはパリっ子に衝撃を与えたが、ハットフィールドも例外ではなかった。ビジブルエアのアイデアが輪郭を浮かび上がらせた瞬間だった。

建築家のレンゾ・ピアノはいかめしい文化施設のイメージを破壊したかったと後年のインタビューで語っているが、ハットフィールドの破壊っぷりも見事だった。

ハットフィールドは「エア マックス」、「エア マックス ライト」に続くモデルとして「エア マックス 90」をつくりあげた。お尻の“90”は発売年を指す(最初に与えられた名は「エア マックス 3」。2000年の再発売より改称した)。

ストリートスタイルの潮流に乗り、大胆なアクセントカラーを採り入れた「エア マックス 90」は英アングラミュージックシーンを皮切りに、アブローのみならず、スケートショップのHUFやsacaiをはじめ、名だたるクリエイターを虜にした。

ドリフトを付与された最新作

「エア マックス 90 ドリフト」2万130円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

「エア マックス 90 ドリフト」2万130円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)


「エア マックス 90 ドリフト」はあらたな色、素材でアップデートしたモデルだ。ファーストカラーのインフラレッド、セカンドカラーのレザーブルーの魅力が色褪せることはないけれど、アクション グリーンと名づけられたグリーンにブラックとレッドを利かせたカラーパレットは勝るとも劣らない。

リップストップと合成素材を組み合わせたアッパーは通気性と耐久性を向上させた。軽やかなクッショニングを担保するAirユニットは健在だ。

お尻につけた“ドリフト”はナイキがみずからエッジィと認めたアップデート・モデルにのみ付与される。その名に恥じない一足である。

ゴアテックス好きにはこちらを。


「エア マックス 90 ゴアテックス」2万130円/ ナイキ スポーツウェア (NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

「エア マックス 90 ゴアテックス」2万130円/ ナイキ スポーツウェア (NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)


 
問い合わせ
NIKE カスタマーサービス
0120-6453-77
https://www.nike.com/jp/

竹川 圭=取材・文

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