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② 金沢カレーのパイオニア!最高峰の洋食技術が詰まった「チャンピオンカレー」

カレーのチャンピオン 野々市本店の外観。

カレーのチャンピオン 野々市本店の外観。


銀座スイスがカツカレーの元祖なら、「チャンピオンカレー(カレーのチャンピオン)」は、“金沢カレー”のパイオニア。

カレーライスとソースのかかった揚げ物、千切りキャベツを一枚のステンレス皿に盛り付け、フォークや先割れスプーンでいただきます。

人気の「カツカレー」にウインナーをトッピングしてマヨネーズを追加(1010円)。

人気の「カツカレー」にウインナーをトッピングしてマヨネーズを追加(1010円)。


老舗洋食店の銀座スイスがカツカレーを生んだように、実は金沢カレーのルーツも日本トップクラスの伝統洋食にあります。

1955年頃、鉄道弘済会が地元のグルメな名士に向けた「レストラン ニューカナザワ」を立ち上げました。腕利きの洋食シェフが全国から集い、贅を尽くした料理を提供したといいます。

「ニューカナザワ」時代のスタッフ。右下は「カレーのチャンピオン」創業者の田中吉和氏。他にも、金沢カレーに携わった老舗店の店主たちが並ぶ貴重な一枚。

「ニューカナザワ」時代のスタッフ。右下は「カレーのチャンピオン」創業者の田中吉和氏。他にも、金沢カレーに携わった老舗店の店主たちが並ぶ貴重な一枚。


このニューカナザワで初代チーフコックを務めたのが、チャンピオンカレーの前身である「洋食のタナカ」創業者・田中吉和さん。他のニューカナザワ出身シェフたちと情報交換しながら、洋食技術の粋を集めたカレーを大衆向けに工夫し、現在の形へと発展させました。

ステンレス皿にワンプレートで盛り付けるのも、割れないし洗い物も減るしと、厨房の知恵が詰まっています。詳しい歴史はぜひ、チャンピオンカレーのHPでご覧ください。

チャンピオンカレー、略して「チャンカレ」は僕も大好き。

素晴らしくバランスのいいカツカレーです。カツは胃にもたれない絶妙なバランスで、細部まで計算し尽くされています。専用の豚肉も、アメリカの畜産業者に部位を指定し輸入しているこだわりぶり。ただのチェーン店とは一線を画しています。

味わいがまた濃厚なんですよ。「カレー」と聞いてみんなが思い浮かべる味や香りをめちゃくちゃ凝縮していて、「俺は今、カレーを食べている!」という感慨がドッと押し寄せてくる。それでいてカツと合わせて食べても全然重たくない。

むしろ合間にカツを挟むことで、さらに食が進むんです。一見大衆的なんだけれど、実は洋食のテクニックが余すところなく詰まっている。レベルの違いをぜひ舌で味わってみてください。

チャンカレは石川県外にも展開されていますが、やはり訪れてほしいのは本店。

ピカピカに磨き上げられた厨房で、味の要である秘伝のソースを大鍋でかき混ぜている方がいるのですが、実は彼、金沢カレー草創期からのレジェンド。

地元で愛されている店「インデアンカレー」が創業した1964年からその厨房に立ち、名物「やさたま(ご飯の上に野菜を敷き詰め、その上にカレーと卵をのせたもの)」を考案した方なのです。

油まみれになりがちなカレー店の厨房で、ここまでピカピカなのは素晴らしい。

油まみれになりがちなカレー店の厨房で、ここまでピカピカなのは素晴らしい。


寸胴鍋に作られたカレー。野菜や肉が煮溶けてどろっとしているのがわかる。

寸胴鍋に作られたカレー。野菜や肉が煮溶けてどろっとしているのがわかる。


金沢カレーの歴史を目でも堪能できると言いますか、「ありがたいものをいただいているんだな」と感動が込み上げてきます。
「カレーのチャンピオン 野々市本店」
住所:石川県野々市市高橋町20-17
営業:11:00~23:00(L.O.22:45)
定休:夏季、年末年始
https://chancurry.com


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