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尾上右近を形づくるもの

根無し草といいつつ、尾上右近を形づくる根はすべてつながっている。

「自分の性格と、これからの歌舞伎界をどうしていくかと考えたときの合致性は高いと信じてます。どっちかに偏っちゃいけないという時代でもあると思う。

でも、どちらも中途半端になったら、役には立てないというのもあるし。こだわりはあるけれど、それに固執しないという感覚がないといけないと思う」

すべて歌舞伎につながっているとはいえ、清元もカレーも、すべてが尾上右近を形づくるうえでは欠かせない要素ばかり。

「要は、カレーと一緒。全部かき混ぜたいということです」

尾上右近(おのえ・うこん)● 1992年5月28日生まれ。曾祖父は六代目尾上菊五郎、母方の祖父には俳優 鶴田浩二。7歳で歌舞伎座『舞鶴雪月花』の松虫で本名の岡村研佑で初舞台。七代目尾上菊五郎のもとで修業を積み、2005年に、新橋演舞場『人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)』のお久と『喜撰(きせん)』の所化で、二代目尾上右近を襲名。2018年1月、清元栄寿太夫(えいじゅだゆう)を襲名。




吉田 理栄子 =文
東洋経済オンライン=記事提供

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