音楽と水墨画に夢中だった
水墨画、またはモノクロながらオリジナリティ溢れるシンギーの作品。
「幼少期の思い出は海の目の前に家があって、海がいつでも見える場所でした。
静岡・沼津の高校を卒業後、18歳で東京に。バンド活動をしながら、20歳で水墨画を学びはじめ、本格的に個展を開始したのは24歳の頃。バンドのロゴは自分で描いて、絵画と音楽は常に生活の一部にありました」。
「最初は水墨画を極めたくて、墨の世界でしっかり勉強しました。2000年に『現代・墨への挑戦2000』というアーティストの登竜門と言われる墨画展に出品したところ奨励賞を受賞して、それから本格的に水墨画、日本画を描き始めました。
横山大観や昭和初期の浮世絵師・川瀬巴水の作品に魅了され、そこからスイッチが入ってしまったんです。ずっと墨の世界で濃淡で表現していくので、広がりが色というところまでいかないじゃないですか。
僕は墨に色を付けたかったんです。そこで、朱墨という赤い墨と、白墨という白い墨汁があるのですが、それを使って色のついた水墨画をストリートイベントで描いていました」。
4/8