使いこなす楽しさがある
電気自動車(BEV)はシティコミューターか超高級車か、その両極から普及するのが良い。
前者なら電池も小さく、自宅での充電で走りまわるならインフラや環境負荷といったBEVの問題点もさほど気にならない。高級車はそもそも数が少ない。
EX30はシティコミューターだ。本当はもう少し小さいほうがそれらしいけれど、十分コンパクト。街中でとても扱いやすい。電池容量もしっかりあって、ちょっと長めのドライブにも使える。
何より佇まいが良い。“小さいのに立派に見える=安心して使える”という点でも、今はまだこのくらいのサイズが世の中的にベストだ。
実用BEVの本命というわけだけれど、気に入ったのは“使いこなしてやろう”と思わせてくれた点。効率化や低コスト化を睨んで、従来にない試みが操作系の随所に見える。結果、デザイン的に驚くほどシンプルで一見して使いづらい。
けれどもそこはボルボ、さすがに考え抜かれていて、新しいガジェットを手に入れた気分で操作をマスターしようという気にさせられた。今までもシンプル系はあったけれど、いずれも単に使いづらかった。
EX30は違う。使いこなしてやろう。優れたデザイン性がそう思わせてくれるのだ。
| モータージャーナリスト 西川 淳 フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。所有する愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。 |