名店① ミシュランお墨付きの実力店「月のうつわ 鶴形店」
最初に紹介するのは、「月のうつわ 鶴形店」。同店は、『ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021』にも掲載された、県内屈指の実力店だ。
同店は、2013年5月、JR倉敷駅北側の住宅地にて創業。開業5周年となる節目の年(2018年7月)に、現在の場所へと移転した。
具体的なロケーションは、倉敷美観地区とJR倉敷駅とを結ぶ商店街の裏通り。店の目と鼻の先に集客力のある観光スポットが存在するにもかかわらず、喧騒から遮断された閑静な場所だ。
アクセスも、倉敷駅から徒歩5分程度と、この上なく良好。提供するラーメンがハイレベルであることに加え、これらの地理的好条件が追い風となり、移転後も着実に客足が増加。今では、押しも押されもせぬ人気店としての地位を確かなものとしている。
2024年現在、同店が提供する麺メニューは、「黄金そば」「塩香味そば」「背脂そば」「八王子醤油そば」「月のつけ麺」など多岐にわたる。いずれの品も甲乙つけ難い完成度の高さを誇るが、初訪問であれば、店公認の一番人気商品「黄金そば」を召し上がってもらいたい。
スープは、地元・岡山産の丸鶏をじっくりと丁寧に炊いた動物系出汁に、風味に華のある魚介成分を加え、香り高き黄金色の鶏油を注ぎ込んだ清湯仕様。味蕾から伝わる規格外のコク深さに、思わず感嘆の声を漏らしてしまいそうになる。甘露のように芳醇な醤油ダレも、五臓六腑へと浸透し身体中の細胞を潤す、盤石の仕上がり。
スープの中を悠々と泳ぐ固茹で細ストレート麺のすすり心地も、尋常ではないほど快適だ。麺をすすると、過不足のない絶妙な分量のスープが共に持ち上がり、口内を上質なうま味で充たし切る。
ふと気が付けば、丼が空っぽになっていた。「ミシュランガイド」掲載店に相応しい、垂涎の味わいだ。
3/5