そんな生活を続けたのち、高2に上がるタイミングでまた鶴橋に戻る。
「自由な時間を手に入れたのでダンス部に入りました。文化祭用の衣装は素材から手作りしたり、振り付けを自分たちで考えたりと、楽しい部活でしたね」。
2NE1という韓国のガールズグループの『come back home』という曲でオリジナルダンスを披露。
高校時代のアルバイトは地元のパン屋。
「かなり人気のお店で、地元のおばちゃんたちが毎日食パンを買いに来るんです。名物はトトロのパン。私はアップルパイが大好きでした」。
レジ担当として高2から高3まで働く。
高校卒業後は京都の私大に入学した。
「父の専門が宗教学だったので、その影響もあって神学部を選びました。大学では聖書の起源を学んだり、宗教戦争の背景を調べたり。家族で韓国を訪れるたびに教会に行っていたので馴染みはあったんです」。
一方でアメリカに留学したいという夢もあった。しかし、兄弟が多いことから親には頼れない。3年間は費用を貯めるためにアルバイト三昧だったそうだ。
それでも資金はまだ足りなかったが、約10倍の倍率をクリアして日本政府が企業と協業する留学奨学金をもらう。1年間の留学先はカリフォルニア州のサンノゼだ。
7月4日の独立記念日に上がる花火をバックに。
「シリコンバレーの中心都市で、さまざまなテック企業が本社を置いています。現地ではカレッジに通いながら、中国人、韓国人、フィリピン人たちとシェアハウスで暮らしました。自分の国の料理を持ち寄るパーティも面白かったです」。
カレッジではジャーナリズムを専攻したこともあり、学内の新聞で記者を務めた。学生の個人活動やスポーツ関連の取材などを行った。
アポ取り、取材、撮影、記事作成、すべてひとりでこなす。
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