大泉洋としての父親像
映画を通じて、自分の父親の世代の強さを再確認したという大泉さん。ではご自身のことは、どんな父親だと思っているのだろうか。
「ひと言で言えば、やはりダメな父親なのかなと思います。本当に(苦笑)。家族の中でいちばん図体の大きな子供……年々そんな感じになってきていますね」。
あるとき、娘さんが学校に提出する作文を書いていた。家族紹介の作文である。そこにはこんなふうに書いてあった。
──父の愛情はとても深い。それはいつか、私が関わりを避ける日が来ると知っているから。だからこそ父は、今の私との時間をとても大事にしているのだ。でも少し、その気持ちが重たくなっている私がいる──
「愛が深すぎたようです(笑)。ただ人様にお見せするものとしては、この作文は合格かなと思っていて。『その気持ちが重たくなっている私がいる』って……なかなか笑えるじゃないですか。
常々娘には『どうせ人に見せるなら面白いもの、楽しいものにしなさい』と言ってきましたから、それは伝わっていたんだなと」。
トミー ヒルフィガーの服を纏って、ポロシャツ、映画、そして家族の楽しい話を聞かせてくれた大泉さん。最後にひとつ、父の日の泣き笑いの思い出を教えてくれた。
「ずいぶん前に舞台の仕事で、長く家を空けていたときがありました。宿泊しているホテルの周りをランニングして帰ってくると、娘からの手紙がフロントに届いていたんです。まだ小さい頃だったな。
走って汗だくでしたから、すぐに部屋に戻って、シャワーを浴びて。早く読みたいからざっと身体だけ拭って、娘からの手紙を開けました。
そこには『パパ、必ず帰ってきてね』と書いてあったんです。永遠の別れでもなんでもないのに“必ず”って。小さい娘のそんな言葉が刺さっちゃって……号泣しました。
ただ客観的に見ると、いい年したおっさんが、素っ裸で手紙を読んで、号泣しているっていう図(笑)。娘の思いに対する感動と、あまりにバカバカしい自分の姿という2つの意味で、とても思い出深い出来事でした」。
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