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【2足目】「M1300 JP3 “メイド・イン・USA”」

2020年2月に発売された「M1300 JP3 "メイド・イン・USA"」

2020年2月に発売された「M1300 JP3 "メイド・イン・USA"」


ーー「1000」番台を代表する「M1300」ですね。

国井 2020年リリースの「M1300 JP3 “メイド・イン・USA”」になります。5年に一度復刻されるたびに必ず手に入れる品番で、以前の復刻版も廉価版の「M1300CL」も履いてきました。



この復刻に携わるニューバランスの方とは、「MT580」を制作した頃から交友があるのですが、話を聞くとブランドへの愛が伝わってきて、「愛には何も敵わないな」って本当に思い知らされました。

「M1300 JP3 “メイド・イン・USA”」は彼らの愛と誇りが詰まった素晴らしい逸足です。



僕は説明しないとわからないスニーカーが好きなんです。なんでも簡単にネットで買える時代、僕らのような小売りの真価ってストーリーテリングや説明だと思うんですよ。

説明しがいがある靴は、売りがいがある。メディアには書けないことや載せられないことも伝えられたら、買い手の満足度は高くなるだろうし、買い手がまた別の人にも伝えていく。そうやって情報のバトンをつなげられればと思っています。

【3足目】「M996 “メイド・イン・ジャパン”」

2023年12月に発売された「M996 JP "メイド・イン・ジャパン"」

2023年12月に発売された「M996 JP "メイド・イン・ジャパン"」


国井 数多くの品番に触れてきて、最後に辿り着いたのが「996」ですね。



ニューバランスといえば、僕のなかでは丸っこくて可愛いイメージ。「900」番台の細いラストに抵抗があり、食わず嫌いで履いてこなかったんです。



ーー何かきっかけがあったのでしょうか?

国井 2015年に起きたボルチモア暴動のニュース映像や記事を見ていたら、多くの人が「900」番台を履いていたんですよ。現地では、「900」番台の価格や履き心地がステータスのひとつになっていたらしく、ニューバランスがSNSで暴動をサポートしていない旨の声明を出すくらい目立つ存在だったんです。

そのカルチャーを汲んでキコ・コスタディノフが履いたり、ノームコアの流れもあってピッティ・イマージネ・ウオモで「900」番台が再評価されたり、いろいろな要因が重なって僕も履き始めました。

※イタリアで開催されるメンズウェア最大の見本市

また、歳を重ねてスラックスにスニーカーを合わせる機会が増えたので、「990v4」から履き始め、最終的に「996」に落ち着きました。

スニーカーに限らず、ずっと変わらず残る名品には、実際に使わないとわからない魅力があるじゃないですか。まさにそんな一足です。


4/4

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