※記事内のアイテム写真は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。
レッドウィング(RED WING)と聞くと、すぐにワークブーツの名作「アイリッシュセッター」や「ベックマン」を思い浮かべる人は少なくないだろう。
このワークブーツの双璧に加え、忘れてはいけないのが機能性&デザイン性に優れたシューズ「ポストマン」だ。
1954年の発売から、アメリカの労働者と世界中のシューズ好きから根強い支持を得ているモデルについて、その魅力やコーディネイトを紹介したい!
【写真11点】「レッドウィングの人気モデル“ポストマン”」を写真でチェック 愛され続けるレッドウィング「ポストマン」の軌跡
レッドウィングのポストマンとは、手紙を一日中配達する郵便局員や、聞き込みなどで毎日何マイルも街を徘徊する警察官といったハードワーカー用に作られた屋外作業シューズだ。
そのオリジンとなる「ポストマンオックスフォード(#101)」が考案されたのは1954年のこと。当時のユーザーを考慮してクッション性に富んだソールを装着しつつ、制服にも似合うようにプレーントゥ風のデザインを採用した。
その効果は絶大で、長時間の労働にも疲れにくく、そのうえ見た目の良さも手伝いアメリカのすべてのリアルワーカーに受け入れられたのだった。
そうした功績もあってUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)の指定靴となった後、チャッカブーツやサイドゴアの追加、カラーバリエーションの拡大によってファッションシーンでも受け入れられていくことに。
以降、レッドウィングの人気アイテムのひとつとして、現在でも多くのファンから愛されている。
レッドウィング ポストマンの魅力的な特徴
警察官や郵便局員など、制服を着て働く公務員用の靴を、アメリカでは“サービスシューズ”と呼ぶ。
ポストマンがサービスシューズとしてアメリカのリアルワーカーたちから支持されたのは、なんと言っても長時間の歩行でも疲れにくい快適な履き心地を実現していたから。また、制服にもマッチするフォーマルな佇まいも見逃せない。
そうした機能性とデザイン性が世界中のシューズファンに認知され、カジュアルファッションに必須のアイテムになっているのだ。そんなポストマンの特徴について解説しよう。
特徴1:長時間の使用にも適した履き心地
1日に何マイルも歩く警官&郵便局員の足を支えただけあって、ポストマンの履き心地はまさしく快適のひと言。
ソールはクッションクレープソール。レッドウィングの代名詞的なモデルであるアイリッシュセッターにも採用され、厚手で靴底がフラットになっているのが特徴だ。
軽量で静音性に優れ、土踏まずのアーチをサポートすることで歩行時の衝撃を吸収する有能なソールである。そのため、長時間の歩行でも疲れにくい。
特徴2:上質で光沢と耐久性を兼ね揃えたシャパレルレザー
ポストマンに使用されている革は、シャパレルレザーと呼ばれる加工革の一種。
このシャパレルレザーは光沢感のある美しさに定評があるが、何度も足を通しクリームを塗るなどの手入れを繰り返すうちに、さらなる輝きを手にできる。そうした経年変化を楽しめるのもポストマンの魅力と言えるだろう。
また、雨などによる水濡れに強く耐久性に優れた特質を持っているうえに、グッドイヤーウェルト製法のおかげでソール交換が何度もできるので長く愛用できるのだ。
特徴3:ビジネスだけでなく、カジュアルスタイルにも合うシンプルなデザイン
革靴はデザインやフォルムによってそれに見合うシーンやスタイルがある。つまりカジュアル用やフォーマル用などに分けることができる。
ではポストマンはどちらに分類されるかというと、つま先に装飾が無いフォーマル度の高いプレーントゥだが、外羽根仕様でそもそもリアルワーカー向けのシューズというバックボーンも手伝い、カジュアルライクな印象も。
そんな作りや背景のおかげで、ポストマンはビジネスにもカジュアルにもマッチする一足になっている。
ポストマンの代表的なモデル
シンプルなデザインに屋外作業用シューズとして高い機能を凝縮したポストマンは、もはや完成形とも言われるほどの仕上がり。
そしてメインモデルとなる「ポストマン(オックスフォード)」の他に、見た目が若干異なる「ポストマンチャッカ」「ポストマンロメオ」の2モデルが存在する。それぞれの特徴や魅力について、以下で紹介しよう。
「ポストマン(オックスフォード)」
ポストマンの外羽根式プレートゥは、使用しているシャパレルレザーの効果が最も発揮されるカタチかもしれない。シンプルだからこそほんのり放たれる光沢が美しく、その輝きは長く履くほどに増していく。
さまざまなスタイルに合うので、お好みに合わせて末長く履き込んでほしい。
「ポストマンチャッカ」
ラスト、製法、革、ソールといった基本的なスペックは、メインのポストマンと同じ。ただし、足首(履き口)をくるぶしの上まで伸ばし、ブーツタイプにしたのがポストマンチャッカだ。
甲からトゥまでの形状がオックスフォードよりもシャープになったぶん、よりドレスライクな印象に仕上がっている。
オン&フォーマルなシーンに合わせられるデザインなのに、ポストマン同様に悪天候に強いのも魅力。雨の日のスタイリングにぜひ活用したい。
「ポストマンロメオ」
ポストマンからシューレースを無くし、両サイドにゴアを配したスリッポンタイプに仕上げたのがポストマンロメオだ。
チェルシータイプのブーツを短靴仕様にアレンジして作った一足は、発売直後から多くの人々を魅了。いろいろなシーンに合わせられるシューズとして、現在でもその人気は衰えていない。
レッドウィング ポストマンのスタイルガイド
リアルワーカーのためのワークシューズというバックボーンを持ちつつも、シンプルでドレッシーな雰囲気を醸し出しているポストマン。
そのおかげで、アウトドア寄りの格好にもアメカジ風スタイルにも、それどころかビジネス&フォーマルなシーンにだって対応する。ここではポストマンをお洒落に履きこなすコーディネイトを紹介したい。
オフの日のカジュアルコーディネイト
郵便局員向けのシューズからスタートしたポストマンには、カジュアルコーディネイトはお手のものだ。スウェットにジーンズというアメカジコーデの王道には、王道のポストマンが良く似合う。
また、ジーンズに色味を合わせネイビーで統一させればグッとモダンな印象に仕上がる。
ポストマンのサイズ感と履き心地をチェック
ポストマンに使われているシャパレルレザーは、最初は硬い印象を受けるが、履き込むにつれ履きジワが出てくると、甲の部分が少し沈んでくるとともに横方向へ伸びるという特性を持っている。
そこで、買う際は専門店できちんと試着し、サイズを足長優先で選ぶのがベターだ。靴の中でつま先が当たらないサイズを選ぶといいが、この時に横幅は「ちょっとキツイかな」くらいでOK。
履き始めは硬くて甲や幅が狭いと感じるかも知れないが、徐々に革が足に馴染んでくる。その後はキツめだった横幅がジャストフィットし、ソフトなソールも相まって非常に快適な履き心地に満足するはずだ。
まとめ
長時間歩いても疲れにくいという機能性、どんなスタイルにも合うというデザイン性、そして悪天候にも屈しないタフネスが魅力のポストマン。しかも長く履けば履くほど革が足に馴染み、その革を丁寧に磨けばますます光沢が増す。
そんなレッドウィングの名作ポストマン、ぜひじっくりと育てながら、長い付き合いを楽しんでほしい。