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2024.05.20

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地方ラーメン界のビッグネーム「喜多方ラーメン」。ネクストブレイク店を官僚が厳選!



「地方ラーメン激戦県」とは……

ラーメンのために全国行脚するラーメン官僚が、地方の名店を紹介する本連載。

今回は日本三大ラーメンのひとつ、福島県の「喜多方ラーメン」にフォーカス。今回は誰もが知る有名店ではなく、比較的最近オープンしたネクスト・ブレイク・ラーメン処を紹介!
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【写真18点】「ネクストブレイクの喜多方ラーメン!」を写真でチェック 
案内人はこの方!
かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。

かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。

札幌、博多に並ぶ、ラーメン界の超ビッグネーム「喜多方ラーメン」

今回は、福島県喜多方市のラーメン店を紹介する。

喜多方市は、福島県の北西部、会津地方の北部に位置する。同市は、その北側に、福島県・新潟県・山形県の3県にまたがる高峻な飯豊連峰を擁し、同連峰などから流れ出る水を用いた米や大豆の一大産地として知られる。

また、明治・大正期から酒・醤油・味噌などの醸造業が栄え、それらを保存するために造られた「蔵」が建ち並ぶ独特の街並みが、見どころのひとつとなっている。



そんな喜多方市は「蔵のまち」と呼ばれ、国内外から多くの観光客が訪れる福島県の一大観光拠点となっているが、ご承知のとおり、同市は「ラーメンのまち」としても有名。例外もあるが、市街のラーメン店で提供されるのは、そのほとんどが「喜多方ラーメン」と呼ばれる1杯だ。

「喜多方ラーメン」は、豚骨、鶏ガラ、煮干しなどから出汁をとった醤油ベースの清湯スープに、太めの多加水縮れ麺を合わせるのが一般的なスタイル。「札幌ラーメン」「博多ラーメン」とともに、“日本三大ラーメン”の一翼を担う、ラーメン界の超ビッグネームだ。

福島県内のご当地ラーメンとしては、「白河ラーメン」「会津ラーメン」と並び称される存在で、定期的に喜多方の地へと足を運ぶファンも数多い。

ここで、喜多方のラーメンシーンの概況を簡単に紹介しておこう。
 観光案内所のすぐ近くにある、喜多方ラーメンのミュージアムにある「喜多方ラーメン神社」。

観光案内所のすぐ近くに建つ、喜多方ラーメンのミュージアムにある「喜多方ラーメン神社」。


星の数ほど存在する同地のラーメン店の中でも、特に「坂内食堂」、「食堂はせ川」、「喜一」の3軒が抜きん出た人気を誇る。続いて、「食堂なまえ」、「大安食堂」、「源来軒」、「上海」、「松食堂」、「一平」などの知名度も全国へと鳴り響いている。

※同程度の実力店として知られていた「あべ食堂」と「まこと食堂」は閉店

このクラスの店舗が狭い区域内に密集する自治体は、全国を見渡してもほかに例がない。上で名前を挙げた店舗はいずれも、これまでに何度もラーメン本やネット記事で紹介され、ラーメン好きでなくとも知っている方は多いだろう。

今回は、上記のような「功成り名遂げる」ビッグネームではなく、近い将来、喜多方のラーメンシーンを牽引することが期待される有力店を4軒厳選して紹介する(厳密には、番外編も含めて5軒)。

紹介店舗の選定に当たっては、ラーメンのテイストが出来る限り被らないようにしたつもりである。願わくば、ラーメン食べ歩きの参考に供していただければ、うれしい限りだ。
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名店① 駅近で“朝ラー”できる実力店「香福」



まず、最初に紹介するのは、2012年7月にオープンした「香福」。

喜多方ラーメン界のレジェンド「坂内食堂」にて、長年にわたって修業を重ねた店主が満を持して独立し、ご夫婦で切り盛りする実力店だ。

店舗のロケーションは、JR喜多方駅から徒歩10分程度。市街地の目抜き通りである「ふれあい通り」に面し、喜多方のラーメン店のなかでは駅から比較的近い場所に位置しているため、公共交通機関&徒歩によるアクセスを予定している方は、同店を食べ歩き1軒目の店に指定すれば、効率的な行程が組めるだろう。
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現在、同店が提供する麺メニューは、「ラーメン」、「お肉ラーメン(ちゃーしゅーメン)」、「告白ラーメン(しらがネギラーメン)」、「青春ラーメン(万能ねぎラーメン)」の4種。いずれもトッピングが異なるだけで、ベースとなる麺やスープは共通。なので、初訪問時には、基本メニューである「ラーメン」をチョイスするのがおすすめだ。

スープは、豚のうま味とコクに充ち満ちた動物系清湯出汁がベース。豚骨をじっくりと丁寧に炊き上げ、豚の臭みを完全に除去。手間ひまを惜しまないことで生み出される豊潤な風味に味蕾と鼻腔が感応し、レンゲを持つ手が止められなくなる。香り付け程度にふんわりと利かせたカエシも、出汁の素材感を際立たせる役割をまっとうする。



合わせる麺は、地元の名門製麺所「曽我製麺」が手掛ける、モッチリ中太ちぢれ麺。

食べ進めるにつれて、肉厚なバラチャーシューから沁み出すジューシーなエキスがスープ中の豚成分と呼応し、コクが右肩上がりに増幅。スープを嚥下したあとに広がる旨味の余韻も、鳥肌が立つほど甘美だ。

早朝から営業を始める店が多い喜多方ラーメンシーンの例に違わず、「香福」も朝の7時半から営業。地元の人たちのように、朝食として同店のラーメンに舌鼓を打ってみるのも、良い旅の思い出づくりとなるだろう。
香福
住所:福島県喜多方市3-4840-1
営業:7:30〜13:30
定休:火曜
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