今を象徴する、GORE-TEX搭載スニーカー
――では、最後のキーワードを。 佐藤 GORE-TEXを搭載した機能系プロダクトです。代表的なところでいうと、サロモンやアシックスですね。
――最近では街でも履いている人をよく見かけるようになりましたね。 佐藤 GORE-TEXを搭載したスニーカーは、ひと昔前までは“凄い靴”という認識が強かったと思います。ダナーのマウンテンライトやダナーライトなどもその部類ですね。なんでこんなに高いんだろうとは思うけれど、GORE-TEXと聞くと納得してしまう(笑)。
ただ今となっては普通に街履きできるモデルも多くありますし、スニーカーカルチャーにもすっかり溶け込んだ印象です。
国井 うちの店でGORE-TEXモデルを買っていかれるお客さんを見ると、やはり「アウトドアやミルスペックなど、さまざまな場面でも機能的でユーティリティなモノが好き」というような人が多く、ゴープコアの流れを強く感じます。彼らはもともとGORE-TEXの良さを理解していますからね。
佐藤 今、特に若い男女に人気があるのがアシックスですね。ジョウンドなどとのコラボによってアシックスの良さを知る人もいますし、単純にシルバー系の近未来なシューズがブレークの兆しにもなっているかもしれません。
2022年発売の「GEL-KAYANO 14 "JJJJound"」。新デザイナーの山下秀則さんが “閃光”をインスピレーションに初めて設計した一足、ゲルカヤノ14。それをベースに、ジャスティン・サンダース率いるクリエイティブスタジオ、ジョウンドとチームアップした初コラボモデル。シルバーのリフレクションパネルやカラーウェイなど、2000年代のナイトシーンを着想源にヴィジュアル化した意欲作。こちらは国井さんの私物。
――Y2Kトレンドが影響しているのでしょうか?
国井 そのあたりは難しいですよね。Y2Kとは何かと言われると、世代や人によって意外と認識の幅が広い。例えばゲルカヤノ14は、Y2Kトレンドの中で人気があるという括られ方をされがちですが、ダッドスニーカーが流行したときでも売れていましたし、それ以前から、“いなたい”と形容されるスニーカーの中でも存在感を発揮していました。実は息の長いモデルではあるんです。
国井 僕もそうですが、オジサンって今起きていることに対して理路整然と結論付けたくなるじゃないですか。でも若い子は、そこに対して答えなんて何も求めてないし、オジサンたちにとやかく言われても「へぇ」くらいにしか思わないんじゃないかなと(笑)。
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