【写真12点】「世界スニーカー10年史トップ会談開催!【後編】」の詳細写真をチェック ビリーズ渋谷店10周年を記念して実現した、ビリーズPR・佐藤敬太さんと、ミタスニーカーズ・国井栄之さんによるスニーカー対談。
アディダスのブーストやナイキのオフ-ホワイトなどが話題となった前編に続き、今回もスニーカー10年史に欠かせないトピックを熱く深掘りしていく。
▶︎世界スニーカー10年史トップ会談前編はこちら! [左]国井栄之さん●東京を代表するスニーカーショップの名店、ミタスニーカーズのクリエイティブディレクター。[右]佐藤敬太さん●スニーカー業界に20年以上も携わるベテランにしてビリーズのPRを担当。
ニューバランスの影響力はやはり強し!
佐藤 やはりスニーカー史10年を語るうえでニューバランスは欠かせないですよね。特に僕はニューバランスとエメ レオン ドレ(Aimé Leon Dore)、ニューバランスとジョウンド(JJJJound)のコラボが印象的でした。
国井 なるほど。
佐藤 このふたつのコラボは「聞いたことがある」という人も多いと思います。決して奇抜すぎるデザインではなく、見る人によっては普通と感じるかもしれませんが、かすかに感じられる品性などにそそられるものがありましたね。
OCEANS Webでも紹介した2023年11月発売の「エメ レオン ドレ ×ニューバランス 550」。
国井 確かに一見「何がコラボなの?」と思うようなときもあるのですが、かといってインラインを見渡しても似たような商品がない。絶妙なんですよ。
コラボや別注ってスニーカーヘッズと呼ばれる人たちに向けて作るところがあって、彼らに刺さるものを生み出したいがために、どんどん過剰な足し算になっていくんですよね。それとは違う流れで「引き算の美学というか、こういうモノもあるんですよ」と諭すかのごとく登場したのがエメでありジョウンド。
セレクトショップでも展開されていて、ファッションという枠にもしっかり収まっていますよね。
OCEANS Webでも紹介した2024年2月発売の「ジョウンド & ニューバランス ザ 2002R ゴアテックス」。
佐藤 登場したときはトータルコーディネイトの一環としてこのモデルを推奨します、みたいな感じでしたよね。ファッションブランドのコレクションの一部という印象が強かったです。
国井 これらのコラボをきっかけにインラインの商品も新定番として定着したと思います。こういう一過性ではないコラボがニューバランスには多かった気がします。
――おふたりの中で特に印象深いニューバランスのモデルはありますか? 佐藤 僕は992ですね。久々に復刻した定番のグレーモデルで、992や990人気にまた火がついて、血眼になって探している人が増えた印象です。国井さんは?
国井 挙げるとしたら990のv6。900番台ってお客さんを置き去りにしない微細な進化の仕方をすることが多かったのですが、今回(v6)は結構思い切った変化をしました。「前の方がいい」という人もいるかもしれませんが、それがメルセデス・ベンツのフルモデルチェンジするときと似ているなって。最初は賛否両論あるけれど、時間が経つにつれてそれが業界のベンチマークになっていく、みたいな感じですね。
あとは580。この品番はここ数年グローバル的にもフォーカスされてきましたが、僕も真柄尚武さんとYOPPI(江川芳文)さんと一緒に集まって久々にコラボモデルを作りました。
佐藤 これいいですよね。
2023年発売の「MT580 "GORE-TEX" "MASTERPIECE SOUND x Hombre Niño x mita sneakers"」。A-1クロージングとマスターピースサウンドの代表である真柄尚武さん、オンブレ・ニーニョとエクストララージのデザイナーとして活動するYOPPIさん、ミタスニーカーズの国井栄之さんによって企画された1足。ニューバランスの非売品ランニングシューズ、950v2から着想を得て、そのアイデアを同ブランドのトレイルランニングモデルの先駆けとして知られるMT580へ落とし込んだ。こちらは国井さんの私物。
国井 今回は、アメリカの非売品のランニングシューズがモチーフにはなっています。そんな凄い元ネタをサッと出してきたのが真柄さんです。企画をスタートするときには「それなんですか?」みたいなところから始まり、そこからYOPPIさんらしいアレンジを加えたのもお見事というしかありません。
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