「カレー人類学」とは…… 4000軒以上ものカレーを食べ歩いてきたカレー細胞さん。
彼が激推しするのは、南インドのケララ料理。実際に現地にも赴いたことがあるというカレー細胞さんは、ケララの料理のみならず、その文化にも心酔。
北インド料理とはまた一線を画す、南インドのケララ料理の魅力とは何か? カレー細胞さんが「ここさえ押さえれば間違いない」と太鼓判を押す、都内にあるケララ料理3店を紹介する。
【写真13点】「神の国・ケララのやみつきスパイス料理3選」の詳細を写真でチェック 案内人はこの方! カレー細胞●カレーキュレーター。日本全国はもちろん、アジア・アフリカ・南米に至るまで、4000軒以上のカレー店を渡り歩いてきた。カレーカルチャーの振興に向けた活動を精力的に行っている。雑誌やWeb連載のほか、「マツコの知らない世界」(TBS)などTV出演多数。映像クリエイターとしての顔も持つ。
インド料理と聞いて、何を思い浮かべますか? コク深いバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキン これらとまったく異なるのが「ケララ料理」です。
ケララは、アーユルヴェーダの聖地やカンフーの源流の地として知られ、「神の国」と讃えられる南インドのトップリゾート地。ムガール帝国に征服された北インドと違い、独自の食文化が残る土地でもあります。
さらに大航海時代の重要拠点であったため、ケララのローカルスパイスであった胡椒に加えて、唐辛子など世界中のスパイスが集結。豊かな自然、そして異文化との交わりが生んだ「ケララ料理」は、体にしみわたる美味しさです。
ケララの港町フォートコーチンにある聖フランシス教会。中には1524年にコーチンで亡くなったヴァスコ・ダ・ガマのお墓もある。大航海時代に栄えた土地の名残。
実は日本人が想起するインド料理は、ムガール帝国によって支配された北インド由来のもの。南インドのケララでは、基本的にスパイスを何十種も使ってじっくり煮込むカレーは作りません。
とれたての魚や野菜、ココナッツミルクをたっぷり使い、その味と香りを引き立てるためのごくわずかなスパイスを入れる、作りたてがいちばん美味しいシンプルな料理なのです。
ケララ州コーチンの市場。野菜の積み方がとても秀逸!
ケララ現地の「バナナリーフミールス」。ライスはケララの赤米。
インド料理の既成概念を打ち破る、新しくてどこか懐かしいケララの味。日本ではまだまだレアな専門店を巡りながら、豊かな自然と歴史に思いを馳せましょう!
ケララのバックウォーターをボートでゆったり満喫。椰子の木が茂る林の間を網目状の水路が走っており、さまざまな鳥や魚が棲息している。
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