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同じ手法をカルト団体が取り入れることも

「極端なやり方かもしれないが、社員教育なら仕方ないんじゃないか?」と思う人もいるかもしれない。

確かに、多かれ少なかれ、多くの企業、部活動、軍隊などは“しつけ”をする。チームワークのできる、使える人間にするためだ。問題なのは、この手法を使ったら、容易にカルト思想にも洗脳できるということだ。

実際に、カルト団体が自己啓発セミナーの手法を取り入れている場合もある。そこまで行かなくても、僕が潜入した団体もかつては、第3段階として「勧誘して、自己啓発セミナーを受けさせる」という活動を参加者にさせていた。金を取っている客に、布教活動をさせるのはいかがなものかと思う。

普通の人は数週間で、自己啓発セミナーにかけられた“呪い”は解ける。逆に言えば、数十万円かけて数週間しか持たないのか?という話だが、解けるならまだ良い。なかには完全にハマってしまい、延々と自己啓発セミナー、宗教団体、などを渡り歩くようになる人もいる。



「本人がそれで満足ならいいじゃないか」というのは確かにそうなのだが、「道を踏み外した」と、あとから後悔している人もたくさんいる。

僕が入ったような「新入社員向けのセミナー」などは避けるのが難しい。「自己啓発セミナーを受けるのが嫌だから入社するのやめます」とはなかなか言えないだろう。会社側が「自己啓発セミナーを使って社員をコントロールするのはやめよう」と思ってくれるのが良いのだが。

こういうのは知識があるかないかで、結果が変わってくる。このルポを読んだ人は、自己啓発セミナーを受けるハメになっても、ハマらない可能性が高いと思う。

気になる人は、より詳しいルポを探して読んで欲しい。いざというとき、抜け出られる可能性が高くなるはずだ。

▶︎村田らむさんのYouTubeチャンネルはこちら!

村田らむ=文・写真 池田裕美=編集

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