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トリプルクラウンが求めたアートとは



「私はいつもいろいろなアーティストを起用し、グラフィックなものもあれば、気まぐれなものも、ファンタジーなものも、各々独自のスタイルを持っているのでその世界を表現してもらいたいと思っている。まずはたくさんのアートショーに行き、目を引くアートスタイルをいつも探していたんだよ」。



「そして、そのアーティストを見つけてはアプローチし、コンセプトを提出してもらう。そして、彼らが良いコンセプトを思いつくこともあれば、そうではないコンセプトのこともある。

そこで私の仕事であるアートディレクションが出てくる。私はあなたの要素が好きではあるがと伝え、その後、彼らに違う方向性を与えるんだ」。



「例えば3人のサーファーがそれぞれ違う方向に向かっているビジュアルがあった。それがトリプルクラウンを表現するアイデアだった。

1人のサーファーはパイプラインへ、もう1人のサーファーはサンセットビーチへ、そして3人目のサーファーはハレイワビーチへ。そして背景にはワイメア湾がある、という様に。私が引退する直前まで、それがVANSのアート部門と一緒に作ってきたアートだった」。


ハワイはアーティストに抜群な環境



「ハワイはサーフィンのアートをはじめ、ライフスタイルを描くさまざまなアーティストにとってアートを生み出し、発展させていくのに完璧な場所だと思う。

例えば、私がアートディレクションしたアーティストたち、その多くが無名のアーティストだったけれど、彼らをトリプルクラウンのポスターに起用することで、そのアートワークが知られるようになって、彼らはとても有名になり、本当にいいアーティストになっていったんだ。

私が持っていたプライドは、毎年の画像を見ると、それぞれ異なるテーマで、毎回トリプルクラウンとは何なのか、ノースショアとは何なのか、ハレイワとは何なのかを突き詰めたこと。

私はアーティストのところに行ったり、アートフェアに行ったりして、比較的無名のアーティストの作品が展示されているのを見かけると、『トリプルクラウンのスターになりたいか』と声をかけていた。

彼らはトリプルクラウンのポスターによってアーティストがどのように世の中で評価を得られるかを知っているので、良い答えが返ってきたんだ。

地元のアーティストを起用するようにしていたのは、彼らがハワイに対して良い印象を持っているから。私がこれまでディレクションしたポスターには、サーフィンとハワイを象徴する場所が必ず描かれている。ハワイはこういうチャンスがしっかりとある場所なんだ」。


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