内田宙司整形外科 内田宙司院長●聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学院にて筋生理学の博士号を取得。2020年に横須賀市の湘南国際村に内田宙司整形外科を開設。ファッションや音楽、カルチャーに造詣が深く、クリニック内にはDJブースや現代アートやデザイナーズ家具が。メディカルサプライブランドの「エクリュ」も運営。
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すべての写真を見る 本連載を担当しているライター・押条良太さん44歳。ある日、その右肩に激痛が!
痛みにもだえながら駆け込んだのは、四十肩治療で有名な、神奈川県横須賀市にある内田宙司整形外科。自身も長年四十肩と付き合ってきたドクター内田院長は言う。「四十肩、なめんなよ! 」と。
四十肩、なめんなよ!
エディター・ライター 押条良太さん●1979年生まれ。出版社勤務を経てフリーのエディター&ライターに。ファッションとウェルネスが得意分野で、長年オーシャンズの連載や特集を担当している。趣味はサーフィンとランニング。2023年の末に四十肩を発症し、現在、内田宙司整形外科に通院しながらリハビリに励んでいる。
押条 院長、コートを着ようと手を伸ばしたら、右肩がバキッと……。以来、腕を上げようとすると肩に電気が走るような激痛が。整体に通ったりしてみましたが、まったく症状が変わらず……、なんとかしてください!
内田院長(以下敬称略) それは四十肩ですね。レントゲンを見てください。ほら、肩の関節面がすり減ってきているでしょう。
押条 いったい四十肩って何なんですか?
内田 肩関節周囲炎のこと。肩の関節にある腱板(けんばん)という組織が炎症を起こすと、関節を動かすための関節包という組織にも障害が起きて、痛みや動かしづらさを感じるようになるんです。 まあ、車でいえば、部品の経年劣化みたいなものですね。40代で発症したら四十肩、50代なら五十肩と呼ぶわけで。とはいえ、四十肩や五十肩は、病名ではなくニックネームみたいなものなんです。
押条 ちょうどこの年代になると、ガタがくるわけですか。ただ、四十肩って運動不足の人がかかるイメージがあります。私は普段からしっかり運動していたんです。なのになぜ!?
内田 運動している人でも発症しますよ。むしろ
長年肩を酷使するスポーツや仕事などをしている人は、それなりに負担がかかっていますから。私も長年テニスを続けてきましたが、40代で発症しました。
押条さんの場合は、仕事柄、パソコン作業で長時間同じ姿勢を取り続けることが多いはず。そのため、
関節が固まり、肩の可動域が狭くなったことが原因かもしれません。
押条 確かに同業者で四十肩になった人は多い(汗)。しかし、電車のつり革を掴む、シャンプーをする、洗濯物を干す、ポケットに手を入れる……、なんて当たり前のことができなくなって、ただただ悲しい。
内田 おそらく今はフリージング期のようですね。四十肩には3つの段階があって、鋭い痛みや、痛みによる筋肉のけいれんが起こる
フリージング期、痛みが和らぐけれど、肩関節が硬くこわばる
フローズン期、こわばりや痛み、不快感が減っていく
ソーイング期に分けられます。移行のスピードは症状の重さやリハビリなどによって個人差があります。
押条 一刻も早くソーイング期になりたい!
内田 治療は運動療法がメインです。
フリージング期は安静にする必要がありますが、関節を動かさないとどんどん固まってしまいます。今は少々痛いかもしれませんが、無理をしない程度に毎日ストレッチをしましょう。
リハビリテーション科のある整形外科に通院しながら、自分でもしっかりストレッチを続けるのが、完治への近道です。
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