「オキニのメンテナンス塾」とは…… レッドウィングは一般的な革靴と比べて、タフで手がかかりにくい。だが、革は革。あまり雑に扱っていては劣化を早めかねない。
今回はレッドウィング・リテールマネージャーの川口憲太さんに、よくあるトラブルと対処法を教えてもらおう。
【写真14点】「レッドウィングの雨ジミ・カビ・サビ対策法」の詳細を写真でチェック 話を聞いたのは……. 川口憲太さん●レッドウィングのリテールマネージャー。アメカジの恩恵を受けた若い頃からレッドウィングを履いており、かれこれ20年以上の近い付き合い。今も夏冬問わず足を通す。
必要以上に恐れるな! 防水スプレーが絶対正義ではない
――レザーブーツの大敵といえば水だと思うのですが…….。 川口 少し濡れたぐらいなら、そんなに神経質にならなくても大丈夫ですよ。水気を拭き取るくらいで問題ありません。
――ずぶ濡れになってしまったら何か対応は必要ですよね? 川口 基本は自然乾燥していただきたいのですが、内部まで浸水している場合は、乾かす前にあらかじめ水分を吸い取った方がいいでしょう。
タオルや新聞紙をブーツの中に詰め込み水分吸わせ、数分後にまた入れ替える。それを数セット繰り返せばある程度は水気が取れます。あとはつま先部分を上にして、できるだけ風通しのいい場所に放置しましょう。湿気が下へ移動して抜けやすくなります。
ーー乾かすだけでいいんですか? 川口 革は乾く過程で、水分と一緒に油分も出ていくので、革がやや硬くカサカサと乾燥してしまいます。湯上りの、肌が乾燥して突っ張った状態と同様です。革を保湿するためにオイルを入れましょう。
――事前に防水スプレーを吹き掛けるのは効果的ですか? 川口 いいと思います。ただ、防水スプレーに頼り切りはやめた方がいいですね。
――というと? 川口 防水スプレー=靴にコーティングするということ。水対策としては効果的ですが、革の呼吸を止めてしまうため湿気を外部へ放出しづらくなるのです。結果、革が硬くなるリスクやカビが繁殖するリスクが生まれます。小雨程度なら、防水スプレーを使用しなくても問題ありません。
――なるほど!
川口 防水スプレーを掛ける場合は、くれぐれも掛けすぎに注意してくださいね。スプレーするとき、靴に近づけすぎるのもNGです。スプレーボトルには必ず「◯cm以上離してください」と注意書きがあるので、それを参考にしましょう。近距離から一カ所に掛けすぎると色落ちや革の質低下の原因にもなります。
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