「それまではあくまでも消費者だったので、生産者と関わる機会がなかったんです。でも、この経験から生産者と農業に関わる仕事に就きたいという気持ちが芽生えて、長野県内のJAに就職しました」。
本当は農家に農業を教える営農指導員になりたかったという。配属先は総務の役員秘書。異動は難しく、希望通りの業務ではなかったものの、地域の子供たちへに対する食農教育スクールに講師側として参加したりもした。
「次にオイシックス・ラ・大地に転職し、移動スーパーによる高齢者の買い物支援を行います。そこで、高齢者が抱えるさまざまな悩みの中で、『孤独』という問題に強い課題感を持ちました。世の中には、そんな孤独を解消するサービスって少ないなと思ったんです」。
そんな流れで2023年12月に転職したのが現在の「AgeWellJapan」。さまざまなシニア向けサービスを展開する姿勢に共感した。
「私が担当しているのは『もっとメイト』というサービスのカスタマーサクセス。シニアのお宅に実際に訪問して、深い傾聴と対話を繰り返しながら、シニア本人も気づいていない潜在的な本音や知的好奇心を引き出すといったサービスです」。
これらのオーダーを聞いて、きめ細かい対応をする。
面白いのは“孫世代の相棒サービス”を謳っていること。つまり、シニアのお宅を訪問するのはほとんどが大学生なのだ。
「弊社では『Age-Well Designer』と呼んでいます。大学生はシニア世代の懐に入るのが上手いんです。子供の頃からデジタルが身近にあるので、そのスキルも教えられる。
同時に、大学生からすると経験豊富なシニアの話はすごく勉強になる。シニアは喜んでもらえて満足感に繋がるという仕組みです」。もちろん、育成担当者による厳しい研修を受けたうえで派遣される。
サービス全体での累計傾聴時間は約6000時間を超え、年間320回以上の出張型シニア向けイベントも行っている。
「Age-Well Designer」のMVPを決める総会後には、彼らの手でこのようなボードが作られる。
Age-Well Designerオリジナルの研修プログラムは法人へも提供。
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