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③ビッグな世界が詰まったミニマムな逸品「DOON食堂 印度山」

 
インドの家庭料理を味わえる専門店は、日本にほとんどありません。

それも北インドはヒマラヤの山あい、ウッタラーカンド州デへラー・ドゥーンの料理店となれば、この「DOON食堂 印度山」以外にないでしょう。

こぢんまりとした飲食店が並ぶ「松本はしご横丁」の一軒で、キャッチコピーは“日本一小さなインド家庭料理店”。

しかし、その注目度はワールドクラスです。『トリップアドバイザー』には英語で絶賛レビューがいくつも書き込まれ、日本全国の飲食店ランキングで11位に上昇したほど。
 


ついには世界経済の中心人物の一人である、インドの超グローバル企業TATAグループの社長が訪れたというのですから、これぞ“グローカル”※のお手本でしょう。

世界を虜にしたカレーは、華々しくリッチな味わいとはまた違う、“引き算の美学”に満ちています。

※「global(地球規模の)」と「local(地域的な)」を合わせた造語。

「スペシャルセット」。チャパティは、小麦粉自体の香ばしさを最大限に生かした素朴な味わい。

「スペシャルセット」。チャパティは、小麦粉自体の香ばしさを最大限に生かした素朴な味わい。


チキンカレーにはクミンを用いずアジョワンを、一方でジャガイモカレーにはしっかりクミンを効かせる……というように、食材に最適なスパイスを絞り込んでいるのです。

これはやはり、印度山が家庭料理の店だから。最小限の手間で作ることができて、胃に重たくなく、素直に美味しい料理です。

オーナーシェフのアシシュ・シルプカーさんがお母さんから習ったというレシピは、日常のしみじみとした食の幸せに溢れています。
 
オーナーシェフのアシシュ・シルプカーさん(右)と奥様。アシシュさんが日本に来たばかりの頃、「相撲取りになったらきっと四股名は“印度山”だね」と奥様と話をしていたことから店名を「印度山」と名付けた。

オーナーシェフのアシシュ・シルプカーさん(右)と奥様。アシシュさんが日本に来たばかりの頃、「相撲取りになったらきっと四股名は“印度山”だね」と奥様と話をしていたことから店名を「印度山」と名付けた。


焼きたてのチャパティがまた凄まじく美味しい! 10枚もおかわりした人がいるそうですが、納得です。
DOON食堂 印度山
住所:長野県松本市大手4-6-18 はしご横丁
営業:11:30~ ※売り切れ次第閉店、日曜定休
https://www.shokudoindoyama.com/


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