地産地消の一杯までは遠い道のりだが…
(筆者撮影)
この事業はまずは1年間の期限付きだ。
初年度は次に向けていろいろ試しながら正解を模索していく。ラーメン店だけでなく、製麺所、醤油店、農家、漆塗りのお店など皆がこの一杯に入れ込んで、今後に繋げようと協力している。
江花さんが目指す地元密着とはそれだけではない。地元の食材を使った“地産地消”の一杯を作ることを目標にしている。
喜多方のラーメン店で地元の食材を使う店は少なく、外国産の食材を使用している店が多いのが現状だ。円安で価格にあまり差がなくなってきたとはいえ、国産に比べ外国産のものを使ったほうがコストが抑えられるからだ。
「農家さんまで含めた三方良しを実現させたいです。喜多方には既に生産者が本当に少なくなってきています。発注が安定しないから続かないのです。
一店一店で発注するのではなく、老麺会としてまとめて発注すれば数も安定します。この1年限定ではなく、持続可能な形で生産者さんと取り組みを続けていければと考えています」(江花さん)
この美しさ。課題は多いが、喜多方のラーメンは絶品だ(筆者撮影)
地元のものを地元の一杯で感じてもらう。まずはそこからだ。
地元の食材がこんなにも良いということをこのラーメンで知ってもらうきっかけを作りたいと江花さんは話す。
市の全面的なバックアップで、これから市内ではさらに良い小麦を作ることと畜産にも力を入れていくことになった。地元産の食材100%になればこれは史上初になる。
生産者からも「うちでも作りたい」という問い合わせが増えてきて、以前以上に意見交換の場が増えてきた。早くもバージョン2が楽しみだと江花さんは話す。
ご当地ラーメンの横綱的な存在である喜多方が動き出したことで、県内じゅうが注目をしている。
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