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毎日のように「嫌がらせ電話」も…

周囲の人々を巻き込みながら、みんなで前に進もうと奮闘する江花さん。逆境の中で頑張る姿に、共感してしまうビジネスパーソンも少なくないはずだ(筆者撮影)

周囲の人々を巻き込みながら、みんなで前に進もうと奮闘する江花さん。逆境の中で頑張る姿に、共感してしまうビジネスパーソンも少なくないはずだ(筆者撮影)


もちろん批判も多い。毎日のように嫌がらせの電話も入っている。しかしそれも織り込み済みだ。

「インバウンド向けとしてメディアで紹介されてしまいましたが、全くそれだけだとは考えていません。喜多方ラーメンの進化版として、地元の方にも食べていただきたいと思っています。

外国人観光客が喜多方に来ること自体が珍しいことですので、この取り組みで少しでも増えてもらえればと。3000円と高額な喜多方ラーメンですが、これは生産者と伝統のラーメンを守っていく先行投資だと考えています」(江花さん)

喜多方行きツアーにも意欲


喜多方は旅行で行くには圧倒的に交通の便が悪い。

新幹線も飛行機も近くを通っておらず、東京から行くにも新幹線で郡山に行ってからさらに在来線で1時間半以上、乗り継ぎ次第では2~3時間ほどかかってしまう。本数も少ないので行くにはハードルが高いのだ。

旅行会社の意見を聞きながらバスツアーを組んでもらったり、福島空港からの台湾人のツアーがようやく始まるタイミングで喜多方行きのツアーを作ってもらえるように働きかけたりと動きがスタートしている。

「喜多方ラーメンの伝統として守るべきものはありますが、それプラスアルファでどんな活動をしてその歴史を繋いでいくかを考えていかなければいけないタイミングに来ていると思います。

当時のラーメンブームを知らない若い世代が、一致団結して喜多方をもう一度活気ある街にしていきたいと考えています」(江花さん)



井手隊長=文
東洋経済オンライン=記事提供

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