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復活を目指し、江花さんが目指すものとは?

今回取材した、「活力再生麺屋 あじ庵食堂」の外観(筆者撮影)

今回取材した、「活力再生麺屋 あじ庵食堂」の外観(筆者撮影)


そんな中始まった今回の企画。江花さんが目指すものは何か。

「注目されれば人は集まるだろうという考えは甘く、今までと同じことをしていてはダメです。この取り組みを始めるにあたって我々が大事にしようと思ったのは地域密着であること、歴史にしっかりと繋がるストーリー性があることです」(江花さん)

そのために大事なのは、全く見たことのない新しいラーメンを作るのではなく、「喜多方ラーメン」の枠の中で表現することだ。

(筆者撮影)

(筆者撮影)


そこで、本来の豚ベースの喜多方ラーメンのスープに、地元産のふくしま会津牛を使ったラーメンを作ることにした。これを会津塗の漆器で提供し、特製の箸は持って帰れるようにした。

会津に住んでいる中国人や台湾人に試食してもらい、海外向けの味に寄せすぎず、日本の文化を伝えられる一杯を作り上げた。

喜多方ラーメンの豚のスープをベースに、「夏黄金」「ゆきちから」で作った特製麺、会津牛チャーシュー、会津牛ワンタン、ナルト、ノリを合わせる。別添えで会津牛そぼろ、地元産の春菊のおひたし、白髪ネギが提供される。

まろやかな醤油と豚の旨味溢れるスープに、極太縮れで短めな麺は小麦のいい香り。ここに会津牛がとにかく合う。少しずつ牛の脂が溶け出して甘みを増す。極上の名に恥じぬ一杯だ。

こんなに豪勢に仕上げても喜多方ラーメンらしさを感じるところが凄い。やっぱり改めて喜多方ラーメンの奥深さを知ることができる。


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