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ボディサイズは乗用車の1/3


Lean3は、2輪車の機動性や官能性と、4輪車の快適性や安心感を両立することを目標としており、乗用車の1/3のボディサイズで2人乗りを目指して作られている。

ボディサイズは全長2470mm×全幅970mm×全高1570mmで、ホイールベースは1800mm。全長×全幅で求められる路上占有面積は約2.4m2で、たしかにトヨタで言えば「ヤリスクロス」の1/3以下になる。

ドアは左側のみで、ボディサイドは躍動的なデザイン。後輪上方に充電口を装備する(筆者撮影)

ドアは左側のみで、ボディサイドは躍動的なデザイン。後輪上方に充電口を装備する(筆者撮影)


ちなみにこのサイズは、ヨーロッパや台湾のL5というカテゴリーに適合するものだ。日本には、残念ながら同様のカテゴリーがないので、ミニカー(原付3輪)登録になる。よって、乗車定員は海外では2名だが日本では1名になる。

i-ROADのボディサイズと比較すると、125mm長く、100mm幅広く、115mm背が高い。

これには理由がある。独創的な後輪操舵から一般的な前輪操舵に転換するとともに、狭いと言われていた後席を広くしたためだ。

前後タンデムで乗車する室内。乗用車と同じ3点式シートベルトを装備する(筆者撮影)

前後タンデムで乗車する室内。乗用車と同じ3点式シートベルトを装備する(筆者撮影)


後輪操舵のi-ROADは、コーナーを曲がるたび、リアがドリフトするように外に張り出しながら曲がっていく。筆者はこの感覚は新鮮だと思っていたが、壁に寄せて止めた場合、出発時にリアが外に張り出すので、壁に当てる心配があった。

たしかに、後輪操舵のおかげで、i-ROADの最小回転半径はわずか3mだったが、他の自動車や2輪車との操縦感覚の違いに、戸惑う人もいただろう。谷中氏もその点を考えて、前輪操舵にしたそうだ。その結果、最小回転半径は3.6mになった。

操作性は乗用車とほぼ同じ。エアコンやカップホルダーなど、快適性や機能性も追求されている(筆者撮影)

操作性は乗用車とほぼ同じ。エアコンやカップホルダーなど、快適性や機能性も追求されている(筆者撮影)


バッテリー容量が拡大したことも特徴で、満充電での航続距離はWLTCモードで100kmと、30km/h定速走行で50kmだったi-ROADから大幅に伸びた。充電時間はAC100Vで約7時間、AC200Vで約5時間とのことだ(Lean3のデータは開発中のため暫定値)。

他にi-ROADとの違いとしては、ドアが“左側にしかない”ことがある。右側通行の国向けも左のみとするそうで、谷中氏は「2輪車のサイドスタンドは通行の左右にかかわらず左側にある」ことを理由に挙げた。

個人的には、エアコンが装備されたことが嬉しい。暑さ寒さはもちろん、i-ROADでは雨天時に熱線入りのフロント以外の窓が曇りがちだったが、Lean3ではそのような苦労はしなくてすみそうだ。


3/4

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