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海外とのビジネスで、必要なスタンスは



最後の話題は、海外でのビジネスの際の法律の考え方や契約に関して。

 海外でのビジネスを行う際に知っておくべきことはありますか?

海老澤 海外だと法律が違うのはもちろんですが、契約のスタンスも違うのかなと思います。

相手にもよりますが、海外企業から提案される契約には、こちらに不利な条項が入っていることも少なくないですね。その点を踏まえて、契約内容をきちんと確認して交渉することが重要です。

久保 僕は長いことやってるので慣れましたが、本当はこうしたいと主張したくても、相手から嫌われるんじゃないかと心配しがちになる気持ちもわかります。



海老澤 気持ちは理解できますよね。ただ、海外では交渉することは割と普通のことで、そこまで心配されなくても大丈夫なのではないかと思います。

原 海外とも取引できる越境ECなどはどうでしょうか?

海老澤 最近すごく増えているのが、直接自社で越境ECをやる場合です。その場合は、購入者がいる国の法律が関わってくるので、細心の注意が必要です。

返品規定や消費者契約も基本的にそれぞれの国のものが適用されるでしょうし、商標権の問題も出てきます。自社のブランド名がその国ですでに別の誰かに登録されていれば、加害者になってしまうことも……。

 契約社会である海外とビジネスを行うのであれば、最低限覚えておくべきポイントはチェックしておかないといけませんね。

久保 アパレル業界って「こうらしい」「ああらしい」って曖昧な状態のまま進んでしまうことが多くて、それがビジネスをストップさせてしまったり、変なところに着地してしまうことも大いにあるので、僕もこの経産省さんのガイドブックをしっかり見てみたいと思いましたね。
 

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そうならないためにも、『ファッションローガイドブック2023』を常に携え、迷った時にはページを開いてみてほしい。

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[問い合わせ]
経済産業省 商務・サービスグループ
ファッション政策室 ファッション政策担当
bzl-fashion_policy@meti.go.jp

菅原麻里=写真 メディア・ストリーム=動画 倉持佑次=編集・文

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