古着のリメイクは、安易に手を出すと危険
続いて、近年特に多く語られるファッションのサステナビリティと法律の話。原 続いてのトークテーマは、サステナブルとファッションローとの関係についてです。
海老澤 最近、注目を集めているのは「グリーンウォッシュ」ですね。本当はサステナブルな商品ではないのに、あたかもそうであるかのように広告などに表示して消費者を欺くもので、海外では法規制の動きが活発化しています。
久保 僕ね、最初はサステナブルという言葉が嫌いだったんですよ。というのも、よくわからなかったんで。
でも2年くらい前から、バングラデシュの工場に残った商品をデザインでアップサイクルする「PHOENIX LAB. PROJECT」というプロジェクトに参加させてもらってから、サステナブルの勉強をして、今はすごく大切なんだなとひしひしと感じています。
久保さんがバングラデシュ訪問時に見た、さまざまなゴミが堆く積まれた光景。
久保 そこで気になったのが、古着をリメイクすることは法律的にどうなのかなって。
海老澤 実は、リメイクやアップサイクルは、権利的には結構危ういんですよ。例えばグラフィックが施されたTシャツを例にすると、そのグラフィックに著作権が発生している可能性がありますので、それを加工して販売すると著作権の侵害になるリスクがあります。
他にも、古いブランドもののコートなどを加工して、ブランド名がついたタグなどをそのままつけて販売することは、そのブランド名が日本でも商標登録をされている場合、商標権侵害になります。
キャンセル品に刺繍を施してアップサイクルしたTシャツ。
原 サステナブルという言葉で安易に手を出すと、実は何らかの権利を侵害する可能性があるということですね。
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