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デジタル領域でも、自分たちの権利は守れる



話題は、近年盛り上がりを見せているデジタルファッションに。

 これからのファッション業界を担う若い世代にとって、メタバース(仮想世界)やNFTなどのデジタルファッション領域についても無関心ではいられませんよね。

中田 僕も興味がある分野です。そこでも法律の問題が関わってくるんですか?

海老澤 まず商標登録ですね。商標登録は、ブランド名やマークなどを使う商品やサービスとセットで登録しておく必要があります。

例えば、メタバース上で服やグッズを販売する場合には、メタバースに対応した区分で商標登録する必要があります。デジタル領域への進出を検討しているのであれば、専門家と相談して早めに動いていただくのが良いかなと思います。


 
 中田さんは、著書『UNLIKELY THINGS (I AM BEAMS)』でイラストも描かれていますよね。こういったクリエイティブの権利を守っていくには、どのようなアクションが必要でしょうか?

海老澤 イラストなどは著作権で守られることが多いです。著作権は、創作をした時点で権利が発生している状況になりますので、それらが現実世界にせよデジタル上にせよ、勝手に使われた場合は著作権侵害ということでクレームを入れるという守り方になりますね。

 デジタル領域はこの10年くらいで一気に広まった新たな市場だと思いますが、法整備も同じように進んでいるのでしょうか?

海老澤 服のデザインなどは不正競争防止法の2条1項3号という法律で保護されることが多いのですが、例えば、現実世界の服のデザインをメタバース上で真似された場合に、この2条1項3号をデジタル上で販売する行為にも及ぼすことができるような改正がされたりしています。

中田 ファッションを取り巻く環境は日々変化していますね。これまでは自分の中での正解というところで動いていたんですが、今日は専門家のフィルターを通して答え合わせができたので自信につながりました。 

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[問い合わせ]
経済産業省 商務・サービスグループ
ファッション政策室 ファッション政策担当
bzl-fashion_policy@meti.go.jp

菅原麻里=写真 メディア・ストリーム=動画 倉持佑次=編集・文

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