「オキニのメンテナンス塾」とは…… 屈強で、時を経るほど味が出る「革ジャン」。
長く着られるアウターの代表格だが、付き合い方を間違えると“渋い”ではなく“老い”となりかねない。革ジャンの正しいケアを知るべく、アメリカ屈指の老舗レザーブランド「ショット」へと足を運んだ。
ショットといえば、世界で初めてライダースジャケットにフロントジッパーを採用したことでも有名で、アメリカ軍に納入した実績を誇る。今回はタフネスさがウリの牛革を例に、ケアのコツを指南してもらおう。
▶︎【写真20点】「ショット直伝・正しい革ジャンケア法」を写真でチェック 訪れたのは…… 「ショット グランド ストア トーキョー(Schott Grand Store TOKYO)」
名作のワンスターから話題のコラボものまでフルコレクションを揃え、レザーバッグやブーツなど相性抜群のアイテムもセレクト。奥には工房も併設。ケアからお直し、アレンジなど革のプロたちが柔軟に対応してくれる。
住所:東京都渋谷区神南1-5-4
電話:03-3464-1913
営業:11:00〜20:00
定休日:無休
HP:https://schott-nyc.jp
話を聞いたのはこの人!
山崎雄城さん●100年以上の歴史を誇る、アメリカきってのレザーブランド、ショットのPRを担当し、自身も普段から袖を通す。これまでに水洗いや乾燥機の使用など、革ジャンのあらゆるチャレンジングなケアや育成法に着手してきた。
ショットに聞く、革ジャンの最新ケア!
――ショットではどんなレザーを使っているのでしょうか? 山崎 牛革、馬革、羊革が多いですね。ショットの定番で古くから使われる革はステアハイドです。ステアハイドとは生後3カ月から半年以内に去勢され、2年以上経過した雄牛のこと。年代によって多少革質や厚みに差はあるかもしれませんが、基本的にはずっと変わりません。
――他の牛革とはどう違うのですか? 山崎 カウハイド(雌牛)と比べると、去勢をしているとはいえ気性が荒いのでもともと真皮の状態から傷を負っている場合があります。一般的には、雄牛の方がやや硬めで厚みがあり丈夫です。
――革の種類によってケア方法に違いはありますか? 山崎 革によってケア法を変えた方がいいのではないかと心配する人もいますが、こと革ジャンに関しては大きく変える必要はないと思います。
僕はこれまでいろんな革を着てきましたが、基本的にケアの考え方は全部同じです。ケア用品のラベルには避けた方がいい革の記載もありますので、最低限それを守っていただければ、あまり神経質にならずとも大丈夫ですよ。
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