「オキニのメンテナンス塾」とは…… 革ジャンの老舗ブランド「ショット」に正しいケア方法を聞く本企画。
今回はこれまで革ジャンに抱いていた一般常識の真偽も含め、改めて最新の知識と教養を養おう。
【写真14点】「ショット公式に聞く革ジャン“新常識”」の詳細写真をチェック 話を聞いたのは…… 山崎雄城さん●100年以上の歴史を誇る、アメリカきってのレザーブランド、ショットのPRを担当し、自身も普段から袖を通す。これまでに水洗いや乾燥機の使用など、革ジャンのあらゆるチャレンジングなケアや育成法に着手。
レザーの天敵はやっぱり水濡れ!?
雨の日には革ジャンを着ないという人は多い。シミになる、硬くなる、縮むといった先人の言葉から、水は革にとって天敵と思われてきた。だが雨の日には絶対に避けるべきなのかというと、必ずしもそうではないと山崎さんは語る。
「そこまで雨に濡れることを恐れずとも大丈夫です。うちの革ジャンに関しては雨の日でもガンガン着てください、を売り文句にしているくらいです。
NGなのは濡れたまま放置したり、クローゼットにしまったりすること。革の種類もあるとは思いますが、濡れることが直ちに劣化につながるとは言い切れません」。
とはいえ、濡れた革が乾くとひび割れるのでないかと心配にはなる。実際のところはどうなのか?
「濡れた翌日にいきなりひび割れることはありません。実際、僕の革ジャンは何度も雨に濡れていますが、今のところそれが原因でひび割れを起こしたことはないですね。
濡れてしまったら乾いたタオルで拭き日影に干しておけば大丈夫。ひび割れの原因は、オイルやワックスがシワの溝などに蓄積しておきることの方が多いと思います」。
乾かした翌日に革ジャンにオイルを入れてケアをするのは、やめたほうがいいという。
「まだ完全に乾いていない状態の革は、雑菌が繁殖しやすい状態にあります。この状態でオイルケアすると、雑菌を閉じ込めてしまうことになりかねません。しっかり拭いて乾かす以外は基本的に何もしなくていいです」。
早く乾かしたい衝動に駆られるが、ドライヤーを使うのは絶対NGだ。
「ドライヤーで急速に乾かすと革もぎゅっと縮み、硬くなる可能性があります。革は人の肌と同じと考えてください。肌にドライヤーを当て過ぎると乾燥してしまうように、革の乾燥も進みます」。
雨に濡れたら水気を拭きとってひたすら自然乾燥。ひどく濡れてしまった場合は、袖の中に新聞紙を入れておくのも良いとのこと。翌日も湿り気があれば乾かし続け、余計なケアをしないのが、プロが語るベストな対処法のようだ。
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