2024年はスギの狂い咲きに注意
――ずばり、2024年の花粉症事情はどうなりそうですか? 決して油断はできません。なぜなら、昨年の気候を分析すると、「高温・多照・少雨」という翌年の花粉が揃う3条件が揃っており、今年の花粉飛散量はほとんどの地域で過去10年の平均を上回る見込みです。
近畿や東北では特に多くなりそうで、北海道でもシラカバの花粉が飛びそうです。
ちなみに2023年は過去3年間の統計で最大の飛散量となり、多くの患者さんが病院につめかける異常な年でした。今年は昨年よりは少なくなりそうですが、昨年との比較は安全材料にはなりませんので、対策を怠るとひどい症状を引き起こす可能性があります。
――いつぐらいから気をつけるべきですか? 今年の花粉の飛散の時期は、関東甲信の一部、東海、中国、九州などでは、例年並みの2月上旬から。毎年バレンタインデーを境に症状を訴える人が増えます。
ただ、今年は「スギの狂い咲き」に注意しなくてはなりません。スギの花芽は通常、気温が下がる11月上旬から休眠し、気温が上がる2~3月頃に開花し、花粉を飛散させます。
しかし、2023年の秋は気温が高かったため、一部の雄花が休眠しなかったり、春だと勘違いしたりして、早く咲き始めてしまう狂い咲きが起きている可能性があります。花粉はわずかではあるものの、敏感な人の中には、昨年末や1月初旬に症状が出ている人もいます。今年は1月下旬以降、都内では花粉症の受診が急増しております。
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