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日本にスギ花粉が多い理由

――そもそも花粉症ってどんな病気なんでしょうか? 仕組みを簡単に教えてください。

花粉症をひと言でいえば、花粉に対する免疫反応です。スギなどの植物の花粉が鼻孔内の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られてマスト細胞に結合します。

その後、またアレルゲンが侵入すると、マスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどのアレルギー反応が引き起こされるんです。ちなみに花粉症の原因には、スギ以外にもこのような植物があります。
花粉症の原因となる植物ベスト5

1位 スギ
2位 ヒノキ
3位 ブタクサ
4位 シラカンバ
5位 イネ科の花粉

――やはりスギが1位……。なぜ日本にはやたらとスギが多いのですか?
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戦時中に、戦時物資として大量のスギを伐採し、さらに戦後に建築資材として残ったスギを伐採した結果、国土が荒廃してしまいました。そこで成長が早いスギやヒノキを全国に整備したのです。

スギは生育して30年以降で成熟期に入り、大量の花粉を出し始めます。そのため、スギ花粉にアレルギー反応を起こす人々が増加しているのです。さらにアレルギーは遺伝にも関わりがあるため、次世代も花粉症を発症する割合が増えています。



――スギの花粉のピークは春のはずなのに、昨年は、秋にも花粉症になる人が多かったですよね。

年や地域によって差がありますが、スギ花粉の飛散量が増え始めるのは、例年(10年間の平均)は2月中頃から。ヒノキ花粉は3月末から5月の連休明けまで続きます。

秋にも花粉症が出るのは、ブタクサの花粉が原因と考えられます。特に昨年は8月からブタクサの花粉がかなり飛び、9月から11月末くらいまで、水のような鼻水や喉のイガイガ感などを感じた人が多かったようです。
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治療法のスタンダードは内服薬

――病院で処方される薬について教えてください。

内服薬の大半は、抗ヒスタミン薬というアレルギー反応を抑える薬です。鼻詰まりに効果のあるといわれる抗ロイコトリエン薬とセットで処方されることが多いです。症状によっては、アレルギー反応を強力に抑えるステロイドを含んだ内服薬や点鼻薬などがあります。

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――最近、注目を集めている舌下免疫療法について教えてください。
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簡単にいえば、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を長期間にわたって少しずつ投与し、体を慣らすことでアレルギー反応を起こしづらくする治療法です。アレルゲンに対する免疫反応を根本的に抑え込むことで、治癒が期待できます。治療法もシンプルで、舌下に薬剤を含んで飲み込むだけ。痛みもありません。

ただ、ごく少数ですが、アナフィラキシーショックを起こしたり、口内炎が起きるなどの副作用を起こしたりするケースが見られます。また、最低でも3年以上の服用が必要であることや、服用していても花粉症の症状が出てしまう人がある程度(約3~4割)はいます。
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