2024年のスニーカートレンド予想
ーー早速ですが、ここ数年を振り返りつつ、2024年のトレンド予想をお願いします。 蛯原 2022年は、ナイキの「ダンク」の勢いが止められないような状況で、2023年は、ちょっとテッキーなトレンドでした。サロモンの「XT-6」などが2022年の後半から火が点きはじめ、それが2023年になって目に見えて履く人が増えた感じですね。
ただ、2023年はアディダスの「サンバ」や「テラス」など、いわゆるぺたんこ系のローテクスニーカーの勢いも出てきました。
それを踏まえて2024年は、テック系とレトロ回帰の2つの流れが来ると考えています。
ーーファッションシーンでは、フットボールシャツがトレンドアイテムのひとつ。そこから派生して、フットボールシューズがベースのスニーカーが流行りそうな雰囲気は感じられますか? 蛯原 そうですね。「サンバ(1950年にフットボールシューズとして誕生)」は、2022年のワールドカップのタイミングから再販がはじまり、さまざまなインラインや別注などが販売されましたが、2024年も引き続きマルチに登場すると思います。
また、アディダスから「ムンディアル」というフットボールシューズも復刻しました。加えて、リアーナがプーマに帰ってきて(2015~2018年にクリエイティブ・ディレクターを担当)、フットボールシューズ「キング」をベースとした新作スニーカー「アバンティ」を発表したりと、手堅い印象がありますね。
ーー2024年はパリ・オリンピックが控えており、こういった世界的なスポーツの祭典のムードは、スニーカーシーンにも伝わってくるものでしょうか? 蛯原 これまでもオリンピックモデルは各ブランドから出てきているので、今回も何かしら絡んだアイテムが出てくるはずです。
ーーオリンピックといえば、堀米雄斗選手がナイキ SBの「ズーム ステファン ジャノスキー スリップ RM」を履いて金メダルを獲得しました。やはりトッププレイヤーの着用モデルは、その後に販売数が増えるものですか? 蛯原 必ずしもとは言えないのですが、少なからず影響はあります。NBAプレイヤーたちがそれぞれのシグネチャーモデルを持っていることは、影響力に繋がってくるからだと思いますね。
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