多くのブランドで採用される統一規格
スリーピングマットの断熱性は、「R値」という数値で知ることができる。これは、アメリカのASTM International(米国試験材料協会)が定めた規格に則って計測される数値で、サーマレスト、ニーモ、シートゥーサミットなど、多くの主要アウトドアブランドに採用されている数値だ。
ASTMに基づくR値の表記。ご覧の通り、数値による断熱性の違いが分かりやすく評価される。
実は以前からR値自体は存在していたが、その測定方法はメーカーごとにバラバラだったため、同じ数値表記でもズレがあり、各社の製品を比較してから購入することが難しかった。
しかし、2020年以降、アメリカ国内ではASTMに則って統一されたR値の表記がないスリーピングマットは販売できなくなったため、現在はR値さえ見比べれば、必要な断熱性がひと目でわかるようになったのである。
いちばん分厚いマットよりも、その上のマットのR値は倍以上。見た目じゃ、断熱性はわからない。
R値は、1.0以下のものから10.0を超えるものまであり、数字が高いほど断熱性が高く、冷気が伝わりにくいことを示している。
夏場であれば、R値が2.0を下回るマットでも問題ないが、冬場は4.0以上、厳冬期の雪中泊をするのであれば5.0以上を目安に選ぶことが推奨されている。
初めて購入の一枚を選ぶなら、冬以外の春夏秋3シーズン使える2.0〜4.0のレンジをひとつの目安にするといいだろう。
ちなみに、シュラフと同様、冬用のマットは暑すぎて夏は使えないこともある。シュラフとマットの場合、大は小を兼ねないと覚えておこう。
冬用のマットは、できるだけ大きめサイズを選んだ方が暖かい。あとは重量や収納サイズとのバランス次第だろう。
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