ーーニットの洗濯方法とクリーニングの頻度について ハラ 洗濯はどうしてる?
オザキ 自宅で「ぬるま湯洗い」をしてます。湯船に10cmくらい水を張って、その中に袖を畳んだ状態で入れて、押し洗いをしてます。袖先と首元は特に汚れるので、そこを重点的に洗う。それだけで、汚れはほぼ落ちますね。
キクチ 干すときは?
オザキ 網状になっている物干し台に、平干しをしてます。量が多いときは、物干し竿に布団みたいにかけて干してますね。
キクチ 洗ったら、そのまま干す?
オザキ タオルで挟んで、脱水してから干します。慣れると大変な作業ではないと思いますよ。
ハラ 毎回、クリーニングには出してないってことだね。
オザキ クリーニングに出すのは、シーズンに1回で良いと思いますね。あんまりクリーニングに出すと、毛の中の油が抜けて本当は良くないんですよ。
キクチ そういうこともあるんだね。
オザキ ニットの柔らかさの秘密は、毛に含まれている油なので。
ハラ 誌面の取材で、「カシミヤは、洗うたびに繊維として良くなっていく」っていう話もしてくれてたよね。
オザキ 毛糸は、毛の綿の部分を集めて、ねじって繋げることで糸になります。いわゆる「撚り」です。この撚りが、洗うごとにほぐれてくる。その分、ふわっと柔らかくなってくるということですね。
ハラ なるほど。
オザキ ただ着てるだけでも、毛は自然とほぐれていきます。なので、カシミヤは育つというか、経年変化があるんです。
ハラ きちんと手入れしながら着ていけば、キレイに育っていくってことだね。
オザキ 極端な話、早く育てたい人は、がんがん洗った方が育つと思います。デニムを洗いこんで楽しむっていう感覚がある方は、ニットも楽しいと思いますよ。
キクチ 勉強になるね!
ハラ ありがとうございました! 来週もオザキさんと一緒に、ニットの世界を深掘りしていこうと思います。
キクチ 「ロロ・ピアーナ」の最高級カシミヤニットの解説もあるので、お楽しみに!
オザキ ありがとうございました!