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トラディショナルに寄りすぎない“さじ加減”がカギ



――ニューバランスのモデルを合わせる際のポイントは?


西野 僕の場合、ニートのパンツに合わせるのは大前提で、逆にやらないのはリーバイス 501などに合わせること。やっぱりトラディショナル感が強すぎて、昔からある大定番なアイテムを合わせることはそうそうありません。

――ちょっとしたコスプレ感が出てしまう?

西野 個人的に、ニューバランスにセントジェームズを着て、バブアー羽織って、L.L.ビーンのトート持ってみたいな、いわゆるアメトラ像のようなものが僕にはあって。その型にハメちゃうと途端にリアリティが感じられなくなる。

ジーンズも501を合わせるなら、646とか履きたいですね。ちょっとフレアなやつや、ワークパンツとか。今はどちらかというと太いパンツを履くことのほうが多いと思います。



――トップスはいかがですか?

西野 セットアップにニューバランスもやりますし、なんならジャージーみたいなのにニューバランスを合わせたりもする。結構、ニューバランスって万能なんですよね。

今回は久々にダッフルコートを着たいなと思い、トレンドカラーにも挙げられる赤をチョイスしました。

――それにしても、ここまで惹きつけるニューバランスの魅力ってなんなんでしょう。

西野 硬派なところもひとつあるとは思うんですけど、今でもアメリカ製を続けているっていうところですね。一部ではありますけど。



だって、100%コストがかかるじゃないですか。別にやらなくてもいいわけですよ。利益優先で考えればいろいろやりようはあるはずなのに、続けている。アメリカ国内には、もっと多くのアメリカ製モデルがあると思います。「1200」というのもありますしね。



――クラフツマンシップですね。

西野 そうですね。ボストンの街自体が、伝統的な良きアメリカをいまだに体現している感じがして。だから、そんなカラフルなコラボはそうそうない。

だからこそ、こういうのを見つけたら「うわっ」てなるわけですよ。え、「ピンク!?」みたいな。でも、それもやっぱりチャリティだとか、背景があってやっているっていう。ちゃんと意味があるんですよね。そこがね、やっぱり素敵だなと思います。


同じモノ作りに携わる観点から、その凄さを語ってくれた西野さん。古き佳きアメリカを心酔してきたオトコの心には、昔も今も、そしてこれからもニューバランスがあり続ける。

佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文

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