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インスピレーションは20世紀のブックマッチから

「20世紀のブックマッチ(二つ折りの昔のマッチのこと)からは、インスピレーションを受けたね。

使い捨てのためのものなのに、そこにはいつも美しいアートがたくさん描かれていて、このスタイルを最大限に再現しようとしているんだよ」。

タブレットを使ってアート制作中。

タブレットを使ってアート制作中。


「僕はデジタルで制作するんだけれど、たまにブロックプリントのようなアートを描くこともある。大きなレイヤーを重ねてね。将来的には、手彫りの版を重ねていくブロックプリントもやりたいと思っているよ」。


見たことのない建物も、アートに仕立てる

「パークプラザ」(右)と人気の「テレフォンボックス」(左)。

「パークプラザ」(右)と人気の「テレフォンボックス」(左)。


「今回、読者プレゼントとして用意したのは“アロハスタジアム”のアートプリント。この制作にはまず、オールド・クイーン・ストリート・スタジアムにいる友人に、古いハワイのスポーツの記念品や写真、ビデオなどの、スクリーンショットを撮らせてもらい、次にイメージを積み重ねていき、彼らと共同制作したんだ。

ホノルルの歴史や古い建物の重要性は知ってはいたけれど、私はハワイ出身ではないので情報や写真の参考資料は少なかったから。地元の友人に補足してもらうことができたのは、大きな意味があったと思う。

思い入れがある作品はたくさんあるけれど、お気に入りなのはワイキキの反対側にある“パークプラザ”かな。とても美しい建物なんだけれど、色がつまらないから誰も気づかないんだよ。だから、この建物にオレンジで活気を与えたいと思った」。

歓迎してくれたハワイのアートコミュニティー

自宅から程近いワイキキから少し離れたビーチもお気に入り。

自宅から程近いワイキキから少し離れたビーチもお気に入り。


「ハワイはアーティストにとっては信じられないほど良い環境だね。地元のアートコミュニティがなかったら、今のようなことはできなかったと思う。

みんなが歓迎してくれるし、すぐに友人になれるアーティストがたくさんいるよ。そして、私のやることをみんなが応援してくれるんだ。

このようなアーティストのサポートシステムは、ハワイ以外では見たことがないよ。アロハスピリットと、とても小さな場所だという事実が組み合わさっている。仕事をするには本当に素晴らしい環境なんだ」。


先人のハワイアンの知恵を残すお手伝いをしたい

※ハワイ州観光局「マラマハワイ」のページはこちら。

※ハワイ州観光局「マラマハワイ」のページはこちら


「私のようなハワイに来たばかりの人間にとって、常に環境について責任を持つことはとても重要なだと思うんだ。ビーチに行くのも、買い物をするのも、できるだけ地元産のものを買うことにしている。

私は800年前に作られたというカネオ地区に残るフィッシュポンド(養魚池)の外来種を除去して修復するボランティアをして、たくさんの喜びを見つけたんだ。

そのフィッシュポンドには外来植物がたくさん生えていて、今は養魚池として機能していないんだけど、数年後には、カネオヘで実際に利用可能な養魚池になることを期待しているんだ」。


アロハシャツのデザインなど、新しいプロジェクトがスタート



「最新のプロジェクトは、アロハシャツの老舗ブランド、カハラのアロハシャツを作ることだよ。僕はアロハシャツが大好きで、カハラも大好きなんだ。だから、タグに私の名前が入って、私自身のラインとなるなんてすごいでしょ。

まずは1枚、その後はもっと自由に作っていいと言われている。僕はアロハシャツのためにダウンタウンのビルをたくさん描いたんだよ。これからも、色々な場面でコラボしながら、古き良きハワイの建物を僕なりのアートで残していきたいと思っているんだ」。

以前バーテンダーをやっていたソラリオは、全米バーテンダー協会と協力して、マウイ島の火災で職を失ったバーテンダーのために、作った作品の収益金を寄付したそう。

チャーミングな髭をたくわえた笑顔と、ほっと懐かしさを感じる作品に、誰もが癒やされるに違いない。
応募方法

ソラリオの作品を、オーシャンズ読者1名の方にプレゼントします。
 

応募は以下のフォームよりお願いします。

応募期間:2023年12月30日(土)〜2024年1月29日(月)17:00まで。
当選者:1名
抽選結果:2024年1月30日(火)以降、当選者の方へのみご連絡差し上げます。


宮澤 拓、Ayumi Yamagami =撮影 本間律江=取材 Galura百合子=取材協力

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